引越し業者の種類と特徴~業界大手・地域密着型・赤帽~
引越し屋さんには、サカイ引越センターのような「引越し専門業者」と、ヤマトホームコンビニエンスのような「兼業の運送会社」があり、この中で大手引越し業者と中小引越し業者(地域密着型の業者)に分かれます。
それぞれ得意分野が違いますが、引越し内容が大きく変わる訳ではありません。
一方、引越し専門の作業(荷物の梱包や養生作業等)は十分にできないが、引越し対応している軽貨物運送業者に荷物の運送をお願いすることもできます。
軽貨物運送業者では赤帽が有名ですが、運べる荷物量が決まっているので、「単身者で荷物量の少ない方」や「大きい家具・家財がない方」に限って利用できます。
引越し専門業者と兼業運送会社
引越し専門の業者は引越し事業のみを行っていて、兼業運送会社は引越し以外の事業を複合して行っていますが、引越しの内容はどちらも大きくは変わりません。
以下に挙げる引越し業者は、業界内で大手と言われている5社になります。取り扱い引越し件数が多く、安心感があるところが魅力です。
引越し専門の大手引越し業者
- サカイ引越センター
- アート引越センター
- アリさんマークの引越社
引越し専門の大手引越し業者と言えばサカイ引越センターが有名です。業界最大手で関西地域の引越し業者のイメージが強いかもしれませんが、全国対応しています。私もサカイに引越しを依頼したことがあります。
兼業の大手運送会社
- ヤマトホームコンビニエンス
- 日本通運
兼業の運送会社ではヤマトと日本通運が有名です。ヤマトは宅急便でお世話になっている人が多いと思いますが、最近は引越しでも知名度が上がっています。
日本通運は個人宅の引越しだけではなく、会社の引越しや海外への引越しなど、特殊な引越しに強みがあります。
大手を利用するメリット・デメリット
<メリット>
- 建物の養生をしっかり行う
- 引越し作業員の教育が徹底している
- 引越し作業員数を十分に確保している
- オプションサービスが充実している
- 補償がしっかりしている
<デメリット>
- 複数社比較しないと割高になりやすい
<適している人>
- 家族での引越し
- 新居への引越し
- 荷物量が多い方の引越し
- 大きい家財・家具がある場合の引越し
短距離・長距離で得意分野が分かれる
上記に挙げた大手引越し業者はネットワークが広く、対応できるトラック保有台数も多いので、短距離・長距離に関係なく対応しています。
中でも日通やヤマトホームコンビニエンスは提携事業者数が多く、独自の特積みネットワーク(特別積み合せ運送事業)を持つので、長距離単身引越しなどの長距離引越しが得意分野です。
サカイやアート引越センターは価格面で強みを発揮するので、どちらかというと短距離引越しを得意としています。
また、短距離引越しでは地域密着型の中小引越し業者も優位になります。
大手引越し業者と地域密着業者との違い
引越し業者は、大手以外にも地域密着型の業者など幅広くあります。
大手引越し業者の特徴は上記で述べた通りですが、地域密着型の引越し業者もコストパフォーマンスが良いなどの特徴があります。
大手業者と地域密着業者それぞれの得意分野があるので、ニーズに合わせて利用すると良いと思います。
事故などの補償が手厚いのは大手5社
引越し業者は通常、「運送業者貨物賠償責任保険」に加入しているので、「大手や地域密着型」関係なく賠償保険が適応されますが、保険内容は各社で違うので、事業規模が小さいと対応力に劣ることがあります。
<補償内容>
サカイ引越センター | 1,000万円まで |
アート引越センター | 専門の係員が必要な処置を行う |
アリさんマークの引越社 | 最高1,200万円まで |
日本通運 | 補償内容・補償金額ともに業界最高水準の内容 |
ヤマトホームコンビニエンス | 当社の過失による事故については責任を持って賠償 |
大手5社のHPを見ると、具体的な補償額が分かったのがサカイのみでしたが、万が一の事故などにも迅速に対応してくれるのは、この大手5社と考えて良いでしょう。
アリさんマークについては、HPを見ても具体的な補償内容については分からなかったので、電話で問い合わせて確認しました。
どの引越し業者にも言えることは、高額品やリース品(一定期間レンタル契約を結んでいるもの)については、別に保険をかける場合があるということです。
見積りを取る際に、補償の適用範囲について詳しく話を聞くことがベストだと思いますが、大手各社の対応力は地域密着業者に比べると強いと思います。
コストパフォーマンスが良いのは地域密着業者
大手業者はスタッフの教育や補償内容がしっかりしているところが多いので、万が一の時を考えると安心して任せることができますが、地域密着業者でも評判が良い業者があったりと、一概にどちらが良いとは言えないところがあります。
引越し内容によって適した業者は変わるので、大手を含めた幅広い引越し業者を比較することが大切です。各業者のHPを見れば大部分の特徴が分かりますが、実際に訪問見積りで詳しい話を聞くことをお勧めします。
その際に、当サイトでも紹介している一括見積りサービスを利用すると、簡単に良い業者を探すことができます。
軽貨物運送業者(赤帽)
赤帽を含む軽貨物運送業者は、例えるなら「荷物のタクシー」です。
ドアtoドアが基本になるので、荷造りは自分でやり、運送してもらうだけの作業になります。良心的な値段や急な引越しにも対応してくれやすいことがメリットではないでしょうか。
<メリット>
- 料金が安い
- 急な引越しにも対応してくれやすい
- 1名だったら同乗可能
<デメリット>
- 段ボール等の梱包資材を自分で用意する
- 運べる荷物が限られる
- 荷物・建物の保護を十分にしない場合がある
- 自分たちも手伝う必要がある
<適している人>
- 荷物量が少ない単身の方
- 大きな家具・家電のない方
- 率先して引越しの手伝いができる方
運べる荷物の量や大きさが限られていて、ドライバーが作業員として働きます。作業員1人で運べないものは、依頼者自身も協力して運ぶことになります。
運ぶ荷物には梱包して傷がつかないように注意しますが、引越し業者ほど建物をしっかり養生する訳ではありません。場合によっては養生しないこともあるので、事前に確認する必要があります。
赤帽は個人事業主で構成される組織や組合なので、事業所によってサービス内容が異なります。
経験豊富な引越しスタッフで形成している赤帽なら、大きな問題なく引越し作業を終えることができますが、中には「荷物が雑に扱われた」などでトラブルが起こることもあるようです。
引越し業者との違い
引越し業者に依頼する場合は、最低でも2tトラックを利用することになりますので、引越し当日に荷物が積みきれないなどのトラブルが起きにくいです。
一方で赤帽含む軽貨物運送業者は、軽トラックに積み切れる荷物量を運搬しますので、積載できる荷物量が決まっています。
積載できない荷物がある場合は増車しての対応になるので、引越し業者と比較すると料金面やサービス内容が劣る場合があります。
保険や補償について
引越し業者は「運送業者貨物賠償責任保険」に加入しているので、トラブルが起きた場合に補償が適応されます。
赤帽でも貨物賠償保険に加入しているので、万が一の時には補償が受けられると考えて良いと思いますが、「搬入の手伝いをした部分での荷物の破損・損傷」では対応が曖昧になります。
責任の所在が明らかでない場合に補償が曖昧になることはどの引越し業者でも同じですが、もしもの時に補償が手厚いのは大手引越し業者になります。