長距離引越しは自分に合った引越しプランで安くなり満足できる
引越しの中でも長距離の引越しは、費用も時間もかかるものです。
長距離の引越しプランは様々あり、トラック1台をチャーターしての引越しや、同一方向へ運ぶ荷物を積み合わせて運搬する混載便、JR貨物を使っての引越しや飛行機を利用しての航空便など、自分の希望条件に合わせた引越し方法を選びます。
長距離引越しは、近距離引越しと比べると輸送方法が複雑になることもあるので、荷物の到着時間や荷物の破損・紛失を防ぐ対策など、しっかり確認しておかなければならないことがいくつかあります。
料金の安さだけで業者を決めるのではなく、引越しプランそれぞれの特徴を知って複数の引越し業者を比較検討しましょう。
日時指定を優先したい方向けの引越しプラン
1日で引越しが完了できる距離は、だいたい100kmと言われているので、引越し先への距離が200km以上ともなると引越しが1日で終わらない場合が多いです。
引越しに時間をかけられない方は、トラックをチャーターしての引越しや航空便を利用する方法を考えると良いでしょう。
トラック1台をチャーターしての引越し
メリット
- 自分の都合に合わせて荷物を運べる
- 荷物の破損・紛失などのリスクが少ない
- 搬入・搬出でドライバーや作業員が変わることがない
デメリット
- 長距離になればなるほど料金が高くなる
適している人
- 荷物量が多い方や大きな家財がある方
- 家族での引越し
自分の荷物だけを運ぶチャーター便は、依頼者が希望する引越し日時を指定できます。途中で荷物を積み替える必要もないので、荷物の紛失・破損の心配がありません。
デメリットは、長距離になればなるほど料金が高くなることが挙げられます。
飛行機を使った引越し
メリット
- 荷物の到着時間が早い
- 移動距離や荷物量によってはトラックをチャーターするより安くなる
デメリット
- 荷物が重い場合や大きい家財がある場合は費用が高くつく
- 飛行機に荷物を積み替えるので、荷物の破損・紛失が起こる場合がある
適している人
- 荷物量が少なく大きな家財がない人
- とにかく早く引越ししたい人
飛行機を使った引越しは、費用が高いとイメージする方も多いと思いますが、引越し先までの距離や荷物量によっては、トラックをチャーターするより航空便を利用したほうが安く済むことがあります。
飛行機を使った引越し料金は、「旧居から空港までの集荷料金 + 航空運賃 + 空港から新居までの配達料金」で計算されます。
空港から家までの距離が遠ければ割高になりますが、航空運賃は、荷物の重量※で決まるので、荷物量が少なければそこまで費用がかからずに引越しできる可能性が高いです。※1kgに満たない軽い荷物は、容量計算により1kgに切り上げて計算されます。
航空貨物事業会社が用意している引越しの割引制度も色々とあります。
<航空貨物事業会社が用意している引越しの割引率>(2016年10月現在)
航空貨物事業会社 | 割引制度 | 対象貨物 | 割引率 |
---|---|---|---|
ANA Cargo(アナカーゴ) | 引越貨物割引運賃 | 250kg以上の引越貨物 | 引越し運賃の30%引き |
JAL CARGO(ジャルカーゴ) | 引越貨物割引運賃 | 250kg以上の引越貨物 | 一般貨物運賃の5割引 |
例として、ANAカーゴとJALカーゴが定めている割引率を比較してみました。
割引率に違いはありますが、どちらの会社も、航空会社が引越貨物と認めたものに限っては割引対象となります。
安さを優先したい方向けの引越しプラン
引越しに多少時間がかかっても良いが、費用を安く済ませたいという方は、JR貨物のコンテナを使った引越しプランや、同一方向へ運ぶ荷物をトラックに積み合わせて運搬する混載便を考えると良いでしょう。
住んでいる場所によっては、コンテナ専用トラックや4t以上の大きなトラックを横付けできないことがありますが、その場合は、横付けできるトラックに荷物を一旦運び入れてから、コンテナや大きなトラックに移動することになります。
JR貨物を使ったコンテナ便での引越し
メリット
- 引越し先が遠ければ遠い程安くなる
- CO₂削減が期待でき、環境に優しい
デメリット
- 荷物を搬出してから届くまで何日か時間がかかることがある
- コンテナに荷物を積み替える際に、荷物が破損・紛失することがある
適している人
- 引越し先が500kmを超える人
- 引越し日時に余裕がある人
引越し先がそこまで遠くなければ、JR貨物を利用するよりトラックを使用するほうが、コスト面や荷物の安全面から見ても良いのですが、引越し先が500kmを超える場合は、トラックを使うよりJR貨物を利用したほうが、費用が安く済むことが多いです。
デメリットとして、ダイヤの都合上、運び出された荷物が新居に配達されるまで何日か時間がかかることが挙げられますが、2~3日分の生活用品は自分で運び出し、後から引越し荷物を搬入したい人にはおすすめのプランになります。
コンテナに荷物を積み替える際に、荷物が破損・紛失する恐れがあることに注意しなくてはいけませんが、業者によっては、コンテナ専用トラックでの対応をしているところもあるので、その場合は積み替えなしで引越しをお願いできます。
家の近くにコンテナ専用トラックが横付けできない場合は、通常のトラックで荷物を積み込み、JR貨物駅でコンテナに積み替えてから運ぶことになります。
トラックに荷物を積み合わせて運ぶ混載便での引越し
メリット
- 同じトラックを使った引越しでも、チャーターするより費用を抑えることができる
デメリット
- 荷物がまとまってから運搬するので、引越し日時の指定ができない
- 自分以外の方の荷物も同じトラックで運ぶので、荷物が混同・紛失することがある
適している人
- 引越し日時に余裕がある人
同一方向へ運ぶ荷物をトラックに積み合わせて運搬する混載便は、トラック1台をチャーターするよりかなり費用を安く抑えられます。自分以外の方の荷物をトラック1台で運ぶことにより、ドライバーなどの人件費や運賃、ガソリン代などを荷主同士で分割できるので、依頼主1人あたりのコストが削減されるからです。
デメリットとしては、トラックいっぱいに荷物が積み込まれないと運搬できないため、荷物の出発時間を依頼者側が指定できないことが挙げられます。
業者によっては、混載便のような日時指定なしのプランでも、臨機応変に対応してくれることもあるので、見積りでいくつかの業者に対応の違いを比較検討すると良いと思います。
引越し先への到着時間がずれても困らないように、引越し先ですぐに必要な最低限の荷物だけを依頼者自身で持っていくなどして、うまく日程調節ができれば安くて満足できる引越しになりそうですね。
コンテナ便や混載便を利用する上での注意点
航空便やJR貨物を使った引越し、混載便での引越しでは、荷物の積み替えなどが原因で、荷物の破損や紛失が起こることもあるようです。
荷物の破損・紛失がないように、いくつかの業者を比較検討することが大切ですが、依頼者自身もできる限り対策をすることも大切です。
トラブルを防ぐポイントとして、以下に主な確認事項をまとめました。参考にしてみて下さい。
- 引越し当日までに荷造りをきちんと済ませておく
- 段ボール1つずつに番号をふる
- 大事な荷物は別で梱包し、自分で運ぶか搬入時にいち早く確認する
- 荷物を運び出した後に旧居を確認する
- 荷物の搬入後、トラックに積み残しがないか確認する
- 自分で荷造りする小物類はしっかり梱包する
- 割れ物は目立つように段ボールに目印をつける
- 段ボールに隙間なく荷物や梱包資材を入れる
- 引越荷物運送保険に加入しておく
1~5は、荷物の紛失を防ぐ対策です。
自分でやる荷造りに関しては、引越し当日までに済ませておくことは基本です。
引越し当日に慌てて引越し業者の方に手伝ってもらうとなると、どこに荷物を入れたのか分からなくなり、後で荷物を確認する時に自分の荷物かどうかの判断も付きにくくなります。
荷物が紛失する原因のひとつとして、トラックへの積み込み後や積み下ろし後の確認不足が考えられます。
荷物がどの時点で紛失したのかを明確にするために、依頼者はトラックへの積み込みが終わったら、旧居で積み忘れがないか確認をして、その後、荷物の搬入時にも、積み下ろし忘れがないかトラックの中をしっかり確認する必要があります。
引越し荷物を搬入してすぐには、荷物の紛失に気がつかないことが多いのですが、段ボールに番号を振っておくと、パッと見て紛失に気がつきやすいです。(例えば、段ボール小1~20 ダンボール大1~30などのように番号を振ります。)
6~8は、荷物の破損を防ぐ対策です。
自分で荷造りするものに関しては、ビニール製の袋などに入れて荷造りするのではなく、段ボールに荷物を入れて荷造りをすることで外部からの衝撃を防ぐことができます。(段ボールに入らない家財は、業者側が梱包してくれることがほとんどです。)
ただ段ボールに入れるのではなく、しっかり梱包してから入れることで荷物の破損を防げます。梱包資材は、業者側が手配してくれることもありますし、自分で調達する場合もあります。引越しプランやお願いする業者によって、資材についての対応は違うので、確認してみて下さい。
大型家財や家具に関しては、業者側が梱包してくれます。しっかり梱包してくれるのか簡易梱包なのかなど、梱包技術が業者によって違うので、大手を含めたある程度名の知れた引越し業者をいくつか比較検討しましょう。
9は、荷物の紛失・破損があった場合に手厚い補償がされる対策です。
引越し業者は「運送業者貨物賠償責任保険」に加入していることがほとんどなので、万一の場合は補償されますが、業者側が責任を負わなくても良い免債事由があったり、補償されても対応に納得できないことがあります。
長距離引越しは、特に荷物の破損・紛失のリスクがある引越しなので、何かトラブルがあった場合に手厚い補償が受けられる「引越荷物運送保険」のような任意で入る保険に加入することをおすすめします。
そこまで高いものではなく、安くて1,000円から入れるものがほとんどです。
長距離引越しをトラブルなく満足する方法
引越しで何かあった時に、補償が手厚くて迅速に対応してくれる業者であることは大切ですが、一番良いのは、荷物の破損や紛失などのトラブルなく引越しを終えることです。
何かあってからでは遅いので、信頼できる業者かどうか、自分が希望する条件に合っている業者かどうかを、見積りの時点で見定めましょう。信頼できる業者を見定める方法として、以下にポイントをまとめました。
- 全国対応している業者を相見積りする
- 見積り内容を書面化する
- 追加料金について確認する
全国対応している業者を相見積りする
長距離引越しの場合は、全国に支店がある大手引越し業者を始め、幅広い引越しに対応している業者にお願いすることをおすすめします。
全国にネットワークがあれば、長距離引越しでも自社トラック・自社社員のみで引越しをお願いできることが多いので、何かトラブルがあった場合でも迅速に対応してくれる業者がほとんどです。
中小業者では、間に協力業者を挟んでの引越しになることが多いので、何かあった時の対応に劣ることがあります。
大手引越し業者の中には、長距離引越しの場合のみ協力業者に作業を頼む場合もありますが、その際もしっかり対応してくれるのかどうか、見積りの時点で確認すると良いでしょう。
見積り内容と追加料金についてもチェック
「言った言わない」がないように、見積り内容を書面化することが大切です。
電話のみの見積りでも、郵送で見積書を送ってもらうなどして引越し内容を確認しましょう。質問があればすぐに問い合わせて疑問点が残らないようにすることが大切です。
また、追加料金を引越し間近で発生させないことも大切です。お得なプランは、一見安くて良いように感じますが、オプションで追加料金がかかることもあります。
自分がお願いしたい引越し内容と、各社が提案する引越しプランを照らし合わせて、よりよいサービスが受けられる業者を見極めて選択しましょう。
相見積りのポイント
満足できる引越しにするためには、相見積りが必要です。
最低でも2~3社に家に来てもらって、見積りを出してもらいましょう。その際に、引越し先までの距離が遠く複雑な輸送ルートになりそうな引越しは、全国にネットワークがある日通やヤマトホームコンビニエンスに見積りをお願いすると良いと思います。
最大手だけではなく、そこそこ名の知れた引越し業者にも見積りをお願いしたいのであれば、コストパフォーマンスが良い地域密着業者をいくつか選択しましょう。
業者選びを効率良くするために、引越し業者の一括見積りサービスを利用するのも便利です。業界トップクラスの引越し紹介件数を誇る引越し侍では、希望する引越し情報を入力するだけで、それに応じた引越し業者が複数社紹介されます。
「絶対にここの業者にお願いしたい」というような強いこだわりがなければ、希望条件に合った最安値の業者を見付けることもできます。
一括見積りサービスを利用することで引越し料金の相場も分かるので、本命の業者に見積りする上での交渉手段としても活用できます。
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