引越しが時期によって安くなる理由~安い時期と高い時期~
引越し料金は、一般的に引越しする人が少ない時期に安くなり、引越しする人が多い時期に高くなると言われています。
需要が多い・少ないによって料金が変動するのは、ホテル代や飛行機代などと同じですよね。
引越しの需要変動によって料金が変わる背景には、どのような要因があるのでしょうか。引越しが安い時期と高い時期も併せて見てみましょう。
なぜ引越し料金は時期によって違うの?
引越し料金は、引越しの需要によって料金が変わります。
引越しする人が多い時期(繁忙期)と、引越しする人が少ない時期(閑散期)の引越し料金を比べると、数万円違うこともあります。
繁忙期と閑散期の料金差が大きい理由として、引越し業者が負担する経費の構造が関係していると思います。
経費には、「固定費」と「変動費」に大きく分けられます。固定費は、売上に関係なく発生する費用で、変動費は、売上に比例して発生する費用です。
引越し業者は、固定費型の会社ですので、経費が占める固定費の割合が高いと言え、売上に関係なく発生する費用が多いです。
もちろん、同じ引越し業者でも、個人で事業をしているところは、従業員が少ないので固定費が少ない場合もありますが、ある程度の規模の大きな引越し業者は、固定費が経費を閉める割合が多いでしょう。
どんな会社でも、売上がゼロの場合も経費がかかるわけですが、変動費型の場合は、売上がゼロだとしても赤字は小さくてすみます。一方で固定費型の場合は、売上が減ると大幅に赤字になりやすい特徴があります。
引越しする人が少ない時期は、トラックの稼働率が悪くなり、売り上げが上がらず赤字になりやすいです。
赤字になるくらいなら、値引きをして少しでも利益にしようと考えるので、引越しする人が少ない時期(売り上げが少ない時期)に、引越し料金が下がりやすいと言えると思います。
人件費や車両費などの固定費は、売上が例えゼロでもかかるものよね。赤字にならない程度に値引きして予約を受けたほうが、業者側にとって利益になるということね。
引越し業者の主な固定費と変動費
引越し業者が負担する主な固定費と変動費の内訳をまとめてみました。
固定費の内訳
- 車両を購入している場合の減価償却費
- 車両をリース契約している場合のリース料
- 自動車関連諸税(自動車税・自動車所得税・重量税)
- 自賠責保険の保険料
- 車両の維持費(修理費・タイヤの交換代等)
- 車庫等の施設費
- 宣伝広告費
- ドライバーや作業員の人件費
- 支払い金利等
変動費の内訳
- 燃料費(ガソリン代)
- 段ボールなどの梱包資材
- ドライバーの時間外手当等
ここで示した分類は一例ですが、引越し業者の固定費と変動費を大まかに見ると、このような分類に分かれます。
売上がなくても、これらの固定費はかかることになり、経費を占める割合が高いです。一方で変動費は、ガソリン代や梱包資材にかかる費用くらいです。
変動費は、売上に比例して発生する費用です。引越し業者のように、売上が増えても変動費が占める割合が少ない場合は、売上に伴う業者側の負担は少ないので、売上が全くないよりは、値下げしても予約が取れれば利益になるのです。
値引きをしても予約が欲しい時
ここまで書いたことをまとめますと、引越し業者が負担する固定費の割合は高いので、トラックの予約がゼロであるくらいなら、赤字にならない程度に値下げをして予約を取るケースが考えられます。
引越し業者が値引きをしても予約が欲しい時は、トラックの空きがある時です。
見積り時に、一度は5万円と引越し料金を提示してきたとしても、相見積をしたり条件変更によって3万円にまで下がるケースはよくあることですが、これは、希望条件が業者側の提供内容とマッチしたからです。
あまりに引越し料金が安いと、逆に不安になることもありますよね。
ほとんどの引越し業者は、運送業の許可を取っているので、違法性がある可能性は低いですが、中には悪徳業者もいるから注意が必要です。
悪質な引越し業者の見分け方の記事も参考にしてみて下さい。
引越し料金が安い時期をチェック
- 5月~8月、11月~2月
- 平日
- 大型連休の前後
- 月初めから中旬
- 午後から夕方
引越しが安い時期は、引越し業者が値引きしてくれやすい時期、すなわち引越しする人が少ない時期です。
引越しする人が少ない時期は、5月~8月、11月~2月と言われていて、3月、4月、9月、10月以外のこの時期の引越しは、値引率が高いと言えます。
また、5月~8月、11月~2月までの時期の中でも、引越し料金の変動があります。
一般的に、カレンダー通りの休みに引越しする方が多いので、土日祝日以外の平日に引越しすると、引越し料金を値下げしてもらえる可能性が高いです。
大型連休の前後も引越し料金が安くなる狙い目です。大型連休の前後にわざわざ有休をとって引越しする人は少ないと思いますので、引越し料金の値下げに期待できます。
その他にも、月末よりかは、月初めや中旬、午前中よりかは、午後からの引越しにすると、値下げしてもらえる可能性があります。特に、午後から夕方にかけての引越しは、午前中に引越し希望が多いということがあって、値引率が高くなることが多いです。
引越しが安くなるのは、引越しする人が少なくて値引率が上がるからです。
引越しする人が少ない時期は、値引率が上がりやすいのですが、トラックの予約が埋まっていれば値引きしてもらえないこともあります。複数の引越し業者の見積りを取って比較してみましょう。
引越し料金が高い時期をチェック
- 3月、4月、9月、10月
- 大型連休
- 土日祝日
この時期は、引越しする人が多い時期になりますが、特に3月、4月は、新社会人や転勤する方などの引越しが集中して、一年を通して一番引越し料金が高くなる時期と言われています。
引越し料金を値下げしなくても、引越しする人が多いのだから、わざわざ業者側も値下げする必要がないのは当たり前ではありますよね。
3月、4月の中でも、3月の中旬から4月の頭までは予約が取れない程のピーク時になります。3月末に引越ししたい方が、直前で予約を取ろうと思っても値引きされないどころが、引越しの予約すら取れない状況になることが多いです。
3月、4月以外では、転勤する方が多い9月、10月に、引越し需要が増えるので値引率が低くなり、大型連休や土日祝日も、世間一般では休みの方が多いので、引越し需要が増えて値引きされないことが多いです。
日曜祝日に至っては、運賃の割増料金が法律で2割と定めらていますので、引越し料金が平日と比べると高くなるはずです。
例年、ほとんど引越しのピーク時は同じです。全日本トラック協会では、引越混雑予想カレンダーを毎年公表していますので、参考にしてみて下さい。
3月、4月、9月、10月を避けた月、大型連休や土日祝日を避けた平日は、引越し料金の値下げが期待できますよ!
繁忙期でもトラックが空いていれば値下げ可能
引越しする人が特に多い、3月、4月の繁忙期は、引越し業者が用意しているトラックが早くに埋まってしまうことが多いので、値下げ交渉に応じてもらえないことが多いです。
しかし、各社でトラックの空き状況は異なりますので、引越しする人が多い時期でも、トラックに空きがあれば値引きしてもらえる可能性があります。
3月末から4月頭までのピーク時の値下げには期待しないほうがよいとは思いますが、それ以外の日にちでしたら、タイミングが合えば安くなることもあると思います。
トラックの空き状況は、ケースバイケースでその都度変動しますので、予測が難しいのですが、一つの目安として、引越しする人が少ない時期(引越しが安い時期)と引越しする人が多い時期(引越しが高い時期)があると考えておくとよいと思います。
引越しが安い時期と高い時期の目安はあるけれど、引越し業者によってトラックの空き状況が異なり、引越し需要はその都度変動するので値引率も変動します。
まずは、複数社の見積りを取って比較して、交渉してみましょう。