家の建て替え~引越し業者選びと荷物の一時預かりについて~
高齢化社会や共働き世帯が増えていることなどの背景から、世代間の助け合いのために、2世帯住宅や3世帯住宅に家を建て替える場合も多いのではないでしょうか。
家の建て替え時の引越しは、仮住まいに一旦引越し、その後もう一度建て替えた新居に引越しするので、計2回引越しすることになります。
建て替えた後の家では使うけれど、仮住まいの家では使わない荷物がある方は、荷物の一時保管ができる引越し業者やレンタル収納スペース(トランクルーム)などに預けることを考えます。
仮住まいの空き部屋に荷物を保管しておくことを考える方もいるかもしれませんが、荷物を置くために床面積の広い仮住まいを探すとその分家賃がかかります。
引越し業者によっては、荷物の一時預りに対応していることもありますし、レンタル収納スペースなどでも荷物を預けられるので、お得な方法で家の建て替えまで荷物を保管しましょう。
家の建て替えに伴う引越し業者選び
家の建て替え工事を依頼する建築会社を選び、ローンの事前審査を受けて解体業者まで探したら、仮住まいの物件を探して引越し業者を決めます。
建て替えに伴う引越しは、旧居から仮住まい、仮住まいから新居への計2回の引越しが必要になります。また、仮住まい中には使わない荷物の一時保管を考える方もいるでしょう。
建て替えに伴う2回の引越しは、別々の引越し業者にお願いするより一社にお願いしたほうが安くなることが多いです。
荷物の一時預かりに対応しているかどうかも含めて、希望条件に合いそうな複数の引越し業者から見積りを取って各社の対応をきちんと見定めましょう。
家の建て替え時の荷物預かりについて
新居では使うけれど仮住まいではすぐには使わない荷物がある場合、一時的に荷物を預けられる保管先にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 引越し業者の荷物一時預かりサービスを利用する
- 運送業者の荷物一時預かりサービスを利用する
- レンタル収納スペース(トランクルーム)やコンテナを利用する
多くの引越し業者では、荷物の一時預りに対応しています。自社倉庫で預かるのか、提携事業者の倉庫で預かるのかなどによって料金が変わりますので、見積りを複数社取って比較検討しましょう。
倉庫業を兼業している運送業者でも、荷物の一時預かりをお願いすることができます。倉庫業と運輸業を兼業しているところは、引越し事業も兼業しているところが多いので、内容としては引越し業者にお願いする作業とほとんど同じになります。
自分で荷物を運んで保管する場合は、レンタル収納スペースやコンテナ収納を利用するという手もあります。
レンタル収納スペースは、一般的にはトランクルームと認知されています。温度や湿度、セキュリティが万全の専用建物でサービス展開している場合や、雑居ビルの一室で湿度管理などがないところで収納スペースを設けている場合もあり、収納施設やサービス内容は様々です。
コンテナ収納は、屋外型コンテナとも言われていて、空き地などに銅製のコンテナを置いて収納サービスを展開しています。温度や湿度管理はありません。
トランクルームと屋外型コンテナの違い
引越し業者や運送業者に荷物の一時預かりをお願いする場合、大抵は屋内のトランクルームで保管されます。(事業者によって対応が違うことがあるので保管方法は要確認)
自分でレンタル収納スペースを借りて荷物を保管する場合は、屋内型のレンタル収納スペースか屋外型のコンテナかを選びます。
屋内型収納(= トランクルーム)と屋外型コンテナの違いをまとめました。
内容 | 屋内型収納 | 屋外型コンテナ |
---|---|---|
適した荷物 |
|
|
料金 | 高め(要比較) | 安い |
温度・湿度管理 | △※1 | × |
セキュリティ | ○ | △※2 |
※1 施設によって異なります。
※2 鍵が唯一のセキュリティになることが多いです。
屋内型収納と屋外型コンテナの一番の違いは、料金と収納環境です。
屋内型のレンタル収納スペース(トランクルーム)で預けるより屋外型のコンテナで預けたほうが安いですが、屋外型コンテナは無人で誰でも出入り自由だという防犯上の心配があります。
また、屋外型コンテナで保管するとなると、温度や湿度が管理されていないので、荷物によっては傷みやすい問題もあります。夏場は特に注意が必要です。
屋内型のトランクルームでは、温度や湿度が管理されているところもあり、防犯上のセキュリティもきちんとしています。
自分が預ける荷物の性質を把握して保管方法を選ぶと良いでしょう。
全国でみた収納サービスの需要
※矢野経済研究所 : 収納サービス市場調査より作成
このグラフは、矢野経済研究所が調査している収納サービス市場を表すものです。
レンタル収納とトランクルームでは何か違うの?と思う方もいるとは思いますが、レンタル収納は、「自分でレンタル収納スペースを借りて荷物を保管するもの」で、トランクルームは、「主に倉庫業者が荷物を保管するもの」と考えて良いでしょう。
引越し業者に荷物を保管してもらう場合は、自社で兼業している倉庫業者か提携先の倉庫業者に荷物を預けることになると思いますので、このグラフではトランクルームの項目に入ります。
この調査を見ると、コンテナ収納の需要が最も多いことが分かります。引越し時の収納サービス市場だけではなく、日常的に収納サービスを利用している方の需要も反映されていますので、普段は使わないアウトドア用品や工具を収納する方が多いということなのでしょうか。
家賃を抑えるために狭い部屋を借りて、このような収納スペースを普段から利用している方もいるようです。
家の建て替え時にも、仮住まいの部屋にかかる家賃は大きいですよね。仮住まいの部屋の家賃を抑えるには、できるだけ床面積が狭い物件を探す必要性もあります。
仮住まいに約半年~1年間(建て替えが終わるまでの期間)、「床面積が広い物件に住み続けた時の家賃総額」と、「床面積が狭い物件に住み続けた時の家賃総額 + 収納スペースを借りた時の総額」を比較してみて、お得なほうを選ぶという選択もありますね。
荷物の一時預かりはどこにお願いしたら安心か
建て替えに伴う引越し荷物の一時預かりは、上記でもまとめたように、引越し業者や倉庫業を兼業している運送業者に荷物を保管してもらうか、自分でレンタル収納スペースを借りて荷物を保管するかなどを考えるのが一般的です。
では、具体的にどのような引越し業者、レンタル収納スペースで保管すれば良いのでしょうか。
【荷物の一時預かりができる引越し業者】
引越し業者 | 特徴 |
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サカイ引越センター |
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アート引越センター |
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アリさんマークの引越社 |
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日本通運 |
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ヤマトホームコンビニエンス |
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チトセ引越・保管センター |
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ベストフレンズ引越倉庫 |
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これらの引越し業者は、家の建て替えに伴う引越し荷物の一時預かりができる業者です。ここで紹介している引越し業者以外でも荷物の一時預かりをしているところもあります。
引越し作業と併せて、荷物の一時預かりサービスの内容を見積り時に比較しましょう。その際に、建て替え後の家で使う荷物の選別はきちんとしておくことが大切です
【主な収納サービス(トランクルーム・レンタル収納・コンテナ収納)】
収納サービス | 主な特徴 |
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キュラーズ |
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イナバボックス |
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ライゼボックス |
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ユアスペース |
|
これらの収納サービスを利用する場合は、初期費用として、事務手数料や保証金がかかることが多いですが、収納サービス業者によっては、初期費用がかからないこともあります。
契約時には、本人確認書(健康保険証や住民票等)、印鑑、第二連絡先など、必要な書類は事業者によって異なります。
引越し業者と収納サービスの荷物一時預かり比較
引越し業者と収納サービスでの荷物一時預かりは、預ける荷物の大きさや重量、効率の良さなどを比較して決めると良いと思います。
大きな荷物や重量のあるものは、自分で運んで梱包するなどは難しいですし、もし万が一のことがあった場合は補償させません。
その点、引越し業者にお願いすれば、運搬から梱包までやってくれますし、荷物の補償もあります。そして何より、引越し作業と同時に効率よく荷物の保管ができるというメリットがあります。
自分で運べるくらいの荷物を保管する場合は、収納サービスを利用しても良いでしょう。長期間の保管になった場合にお得になることや、荷物の出し入れが自由なことなどのメリットがあります。
引越し料金は、いくつかの引越し業者の見積りを取って競争させればそれだけ値下げできる可能性がありますので、その分の費用を荷物の一時預かりに充てることもできます。できるだけ引越しが安くなる方法の記事も参考にしてみて下さい。
家を建て替えるまでの期間を考えた上で、荷物の一時預かりをうまく使ってお得に引越しができれば良いですね。