エアコン移設・買替の取り付け工事費用と追加工事について
エアコンの取り付けには、標準工事の他に追加工事が必要になることがあります。
エアコン取り付け標準工事は、エアコン本体(室内機)の設置や室外機の設置などがあり、標準工事の内容は、工事業者やエアコンの能力、エアコンを移設するか新規で購入するかなどによって異なります。
追加料金については、エアコンの配管を取り替える場合や延長する場合、エアコンの電圧が変わる場合の電圧変換工事などがあります。(エアコンを新規で購入する場合は、電圧変換工事が無料で含まれていることもあります。)
エアコンの取り付け追加工事は、エアコンを移設する場合でも、エアコンを新規で購入する場合でもどちらにも伴うものですが、エアコンを新規で購入する場合は、本体価格にある程度の取り付け工事料金が含まれていることが多いです。
エアコンの取り付け標準料金だけを考えていると、実際にエアコンを取り付けてみたら追加料金がかかって不本意な思いをすることがあります。
エアコンの取り付け標準工事にはどのようなものがあり、追加料金がかかる場合にはどのようなケースがあるのかを確認することが大切です。
エアコン取り付け標準工事の作業内容
- エアコン本体(室内機)の設置
- 室外機の設置
- エアコン配管内部の真空引き
- 配管パイプの穴あけ一箇所(壁の材質によって追加料金になることがある)
これらの作業が、主なエアコンの取り付け標準工事の内容と言われていますが、工事業者やエアコンの能力、エアコンを移設するか新規で購入するかなどによって標準工事の内容は異なるので、一概に標準工事はこの内容ですとは言い切れないところがあります。
配管パイプの穴あけは、一箇所なら標準工事に含まれていることが多いですが、壁の材質によっては追加料金がかかることがあります。
<配管パイプの穴あけ工事分別例>
壁の材質 | 標準工事に入る | 追加料金がかかる |
---|---|---|
木造 | ○ | – |
モルタル | ○ | – |
石膏 | ○ | – |
ALC(軽量鉄鋼) | ○ | – |
コンクリート | – | ○ |
タイル | – | ○ |
寒冷地仕様住宅 | – | ○ |
木造やモルタル、石膏や軽量鉄骨などの穴あけは標準工事に入り、コンクリートやタイルなどの壁に穴をあける際には追加料金がかかります。
また、工事業者によっては、配管パイプの穴あけ作業自体が別料金になることもあります。エアコンを取り付ける部屋に配管用の穴が空いているかどうかを確認して、工事業者に見積りを取ってもらうと良いでしょう。
エアコンの追加工事例と費用について
- 配管の延長や取り替えが必要な場合
- 配管カバー(化粧カバー)を付ける場合
- コンクリートやタイルの穴あけ工事が必要な場合
- フロンガスを補充する場合
- 電圧変換工事が必要な場合(100V ⇔ 200V)
- コンセントの交換(100V ⇔ 200V)
- ブレーカーの変更(100V ⇒ 200V)
エアコンの移設でかかる追加工事には主にこのようなものがありますが、高所での作業になる場合や、室外機を置く場所が屋根などで専用の器具が必要な場合など、細かく見ると追加費用がかかる場合は色々とあります。
配管の延長や取り替えが必要な場合
エアコンを移設する際には、配管が傷んでいたり、配管の長さが足りない場合などでそのまま配管が使えないこともあります。その際は、配管の取り替えや延長に伴う追加料金がかかります。
エアコンを新規で購入する場合は、配管の取り替えは必要ありませんが、配管の延長が必要になることもあります。
配管のパイプは、1mあたり3千円程です。数メートル追加するようになると、1万円以上かかる場合もあります。
配管カバー(化粧カバー)を付ける場合
室内機や室外機の配管が露出しているところは、粘着テープでぐるぐる巻きにして仕上げるのですが、粘着テープの上から配管カバーを付けると別料金がかかります。(エアコンを新規で購入する場合は配管カバーが無料でついていることもあります。)
配管カバーのメリットは、見た目が良くなることや直射日光などから配管を守る役目があると言われています。
配管カバーを付けるか付けないかは任意で選べますが、新築一戸建てに引越しする方はほとんどカバーを付けると思います。
配管カバーの料金は、幅や長さによって異なりますが、室外機のノーマルタイプは5,000円から、室内用の配管カバーは1万円くらい(室外用の倍料金)と考えておくと良いでしょう。
コンクリートやタイルの穴あけ作業が必要な場合
配管パイプの穴あけ工事については、上でまとめた通りですが、コンクリートやタイルの壁に穴をあける場合は追加料金がかかることが多いです。
壁の材質によって料金が異なり、工事業者によっても料金体系が違いますが、コンクリートの穴あけは1万5,000円くらいと見ておくと良いです。
フロンガスを補充する場合
エアコンのフロンガスの補充は、エアコン移設時に必要になることがあると言われますが、普通に使用していれば、エアコン耐用年数の約10年間はフロンガスの補充はしなくても問題ないと考えるのが普通のようです。
フロンガスの補充が必要な場合というのは、何らかの不具合が影響してガス漏れしてしまった時や、10年以上使い続けている場合などでエアコンの効き目が悪くなっている時です。
10年以上使っていてエアコンの効き目が悪くなっているいのであれば、フロンガスの補充はしないでエアコンの買い替えを検討するのが先決だと思いますが、フロンガスを補充するのであれば、5,000円程で行われることが多いようです。
電圧変換工事が必要な場合
エアコンの能力によって適合する電圧が違いますので、取り付けるエアコン専用コンセントの電圧が適合しないのであれば、電圧切替や、コンセントの交換工事などが必要になります。
電圧変換は、主に200Vのエアコンを取り付ける際に、100Vから200Vに変換する際に必要になることが多いです。
100Vから200Vへ電圧変更する場合で、ブレーカーが200Vに対応していない場合にはブレーカーの変更工事も必要になります。
電圧切替に伴う費用は、電圧切替とコンセント交換合わせて5,000円程です。ブレーカーの変更工事が必要になれば別途費用がかかります。(エアコンを新規で購入する場合は、電圧変換工事が無料で含まれていることもあります。)
エアコン移設工事の費用について
エアコン移設時には、取り付け・取り外し標準工事費用だけを見ると2万円程になることが多いですが、配管の取り換えなど追加工事が余儀なくされることが多いので、標準料金に収まらない可能性が高いです。
追加工事が必要になる場合は上でまとめた通りですが、配管パイプ交換やフロンガス交換の必要性などは、素人目には分からないことが多く、業者の言いなりになっているのでは?と腑に落ちないこともあると思います。
追加工事の作業内容に疑問があれば質問をして、いくつかの工事業者に見積りを取ってもらうと良いでしょう。
ネットなどでエアコン取り付け業者を見付けることができますが、あまりに格安で請け負っている場合は、オプションとして工事内容が細かく分かれている場合がありますので、事前に追加料金などの工事内容を確認しておくことが大切です。
新規エアコン取り付け工事の費用について
新規でエアコンを取り付ける場合と、エアコンを移設する場合とでは、取り付け工事の負担内容が大幅に異なります。
エアコンを購入する電器店でエアコンの取り付けをお願いすれば、エアコン本体価格にエアコン標準取り付け工事費が含まれているので、エアコンを買ったら取り付けに伴うある程度の工事はついてきます。
これはヤマダ電機のチラシですが、エアコンを購入する場合は、10個ものエアコン取り付けに伴う特典が用意されています。
特典内容を見ると、配管パイプの取り付けが4mまでは無料、配管カバー5,000円相当が無料、電圧変換やコンセント交換の工事費が無料など、様々な特典が付いています。このような特典は、単にエアコンを移設する場合には付いていません。
どこまでが標準取り付け工事に含まれるのかの細かい内容は、電器店や購入するエアコンの価格によって異なります。
新規でエアコンを購入すれば追加料金がかからないで済むかというとそうではなく、新規でエアコンを購入する場合でも、取り付けに伴う追加料金がかかることもあります。
エアコンの本体価格が高いものほど取り付け工事内容などの特典が手厚くなると言われていますので、一概にこの場合は追加料金がかかりますとは言い切れません。
しかし、一般的に新規エアコン購入で追加料金が発生するのは、配管のパイプが4mを超える場合の延長料金や、コンクリートやタイルなどの配管パイプの穴あけなどが考えられます。
エアコンを新規で購入する場合は、エアコンを移設する時と比べると追加料金の負担が少ないことは確かですが、場合によっては追加料金がかかることもあることを覚えておきましょう。
エアコン移設に伴う標準工事は、最低限の作業内容になることが多く、追加料金がかかることを覚悟の上で見積りをお願いしたほうが良いですね。
一方エアコンを新規で購入する場合は、取り付けに伴う様々な特典が用意されていることが多いので、エアコン移設時と比べると追加料金の負担は少ないと考えて良いでしょう。