引越しをキャンセルした際のダンボール返却について
諸事情により、一度契約してしまった引越し業者をキャンセルすることもあるでしょう。
一度契約をしてしまった引越し業者をキャンセルする際は、まずは電話で解約の旨を伝えます。
引越しのキャンセルは、業界内ではよくあることですが、ダンボールの返却に関する費用については、引越し約款に明確な定めがないことから、業者側と依頼者側で度々討論となるようです。
ダンボールを使用してしまった後のキャンセルでは、ダンボール買い取りが一般的ですが、使用していないダンボールの返却は、郵送で送り返すか、業者に引き取りに来てもらうか、新たに契約する引越し業者に返却してもらうなどの方法があります。
契約時に受け取ったダンボールの返却は、引越し業者を乗り換えての解約なのか、引越し自体の解約なのかで対応が異なりますので、確認してみて下さい。
引越し業者を乗り換えてのキャンセル
引越し業者との契約が終わり、既にダンボールを受け取ったあとに、他の業者が気になることもあると思います。
本来でしたら、契約した引越し業者に引越しをお願いする流れになりますが、契約後に、他の引越し業者に乗り換えたいと考える方もいるのではないでしょうか。
引越し業者の中には、かなりタフな引越し業者もいます。他社と契約を取り付けていたとしても、「一度見積りだけでも取らせて下さい」と熱心に話をし、見積りを取り、契約まで持って行くことがあります。
また、契約後に冷静になって、他の引越し業者にも見積りをお願いした結果、後から見積りを取った業者の方が良くて乗り換えることもあります。
契約後の乗り換えは、なんとなくタブーなのかなと私自身思っていましたが、案外乗り換えるケースも多いようです。
乗り換えた引越し業者にダンボール返却を依頼
受け取っていたダンボールは、新たに契約した引越し業者に返却をお願いできることがあります。
特に、「一度見積りだけでも取らせて下さい」と熱心に詰め寄ってきた業者には、ほぼ返却依頼できます。返却の際の送料もかかりません。
すでに荷造りに使ってしまったダンボールは、買い取るしかないとは思いますが、使用前のダンボールでしたら、新たに契約した業者が返却してくれることもありますので、確認してみて下さい。
他社のダンボールを返却してくれるなんて、大丈夫なのかな?と思いそうですが、業界内ではよくあることみたいですね。
引越し業者によっては対応が異なるかもしれませんので、どういった流れになるのか契約前に確認することが大切です。
ダンボール返却を巡るトラブル
国民生活センターに寄せられたダンボール返却を巡るトラブルを紹介します。
事例 : ダンボールの返送料
他社よりも安いと勧誘されて契約した。しかし改めて数社から見積りを取ったところ、最初の事業者は最も高額だった。最初の事業者に解約を申し入れたところ、置いていったダンボールを直接返しに来ないと引き取り費用を請求すると言われた。納得できない。
(30歳代 女性 ・ 給与生活者)
ダンボール返却を巡るトラブルは、度々起こるようです。
契約後のダンボール返却にかかる費用は、依頼者が負担するのが一般的ですが、強引に契約を迫られた場合には、返却費用は負担したくないですよね。
契約を強引に迫られた場合は、その場で絶対に契約しないのが一番ですが、後から気付いてもどうしようもないことがあります。
ダンボールの返却は、上でも書いたように、新たに契約する引越し業者が返却してくれることがありますので、新たに契約する引越し業者の条件として、ダンボールを返却してくれるかどうかで決めてもよいと思います。
新たに契約した引越し業者が返却してくれないのであれば、気分良く引越しするためにもと割り切って、自分で返却するしかないのかもしれません。
引越し自体をキャンセルする
引越し業者を乗り換えての引越しでしたら、新たに契約する引越し業者にダンボール返却をお願いできることがありますが、引越し自体をキャンセルする場合は、ダンボール等の資材返却に関わる費用は、自分で負担しなければなりません。
一般的には、ダンボールを使用していないのなら、依頼者が送料を負担して返却をし、ダンボールを使用していたら買い取る流れになります。
ダンボールは依頼者が買い取りまたは返却する
引越し自体をキャンセルする場合は、契約時に受け取ったダンボールは、買い取りや返却するのが一般的です。郵送で返却する場合の送料は依頼者が負担します。
解約に関するダンボール返却については、各社でそれぞれ定めている内容に従います。
例として、いくつかの引越し業者の公式サイトから、ダンボール返却に関する内容を以下にまとめてみました。
契約を条件にお渡ししているダンボールなどの梱包資材に関しては、買取いただくかお客様自身で返却していただく必要があります。
引用 : サカイ引越センター もしものトラブル
当社が既に実施し、または着手した付帯サービスに要した費用(見積書に明記したものに限る)を収受します。
引用 : アート引越センター 申込以降の変更について
解約の場合、それまでに実施した作業、使用された資材等は全額請求いたします。(サービス資材も含みます。)ダンボールS300円、M350円、和400円、テープ300円
また、ハート引越センターにてお渡しした資材の引き揚げをご希望の場合、手数料として3,150円申し受けます。
引用 : ハート引越センター お引越ご利用規約
着手した付帯サービスに要した費用には、ダンボールなど梱包資材に要した費用も含まれます。
引越し業者の多くでは、使用済みのダンボールは依頼者が買い取り、使用前のダンボールは、返却か買い取りかのどちらかで依頼者が負担するようにとお願いしています。
ダンボールの返却は、郵送で送るのが一般的なようですが、引越し業者にダンボールを引き取りに来てもらうこともできるようです。
ハート引越センターの引き取りと買取
ハート引越センターにダンボールの引き取りをお願いする場合は、手数料3,150円がかかります。他の引越し業者でも、同じような対応になる可能性がありますので、自分で返却するのか業者に頼んで返却してもらうのか、手間や費用を考えて検討してみましょう。
ダンボールを使用してしまったら、買い取るしかありません。料金は各社で異なりますので、いくら支払うのか検討がつかないこともあるでしょう。
例として、ハート引越センターでダンボールを買い取りした料金を計算してみましょう。
【ダンボールの買い取り料金例】
ダンボールSサイズ300円、Mサイズ350円とした時の料金例です。
ダンボール数 | 買い取り料金 |
---|---|
S15枚 + M10枚 | 4,500+3,500 = 8,000円 |
S20枚 + M15枚 | 6,000+5,250 = 11,250円 |
S30枚 + M20枚 | 9,000+7,000 = 16,000円 |
家族引越しで使用するダンボール数は、平均して、Sサイズ30枚とMサイズ20枚を合わせた50枚程度になると思います。
もし、ダンボール50枚を荷造りに使用してしまった後にキャンセルとなった場合は、16,000円支払わなければなりません。受け取っていたガムテープも併せて使用していた場合は、テープ分の買い取り料金も発生します。
ダンボール1枚あたりの料金はそこまで高くないとしても、数枚合わさると結構な費用になりますね。
契約前にダンボールを置いていった場合
契約を検討している段階でも、見積時にダンボールを置いていく引越し業者もあります。
本来は、正式に契約してからでないと、ダンボールは置いていかないものですが、ほとんど契約する意向がある場合にダンボールを置いていくことや、半ば強引にダンボールを置いていく業者もいます。
正式に契約をしていない場合のキャンセルでしたら、ダンボール返却にかかる費用を依頼者が負担する必要はないでしょう。
引越し業者に依頼しない旨を連絡すれば、業者がダンボールを引き取りにきてくれると思いますが、もしそれができないのなら、新たに契約する引越し業者に返却してもらうか、本社に連絡を入れて対応してもらいます。
引越し業者との話し合いで解決しない場合は、消費者センターや全日本トラック協会にも相談できます。
ダンボール返却に関するトラブル回避法
- 契約を強引に迫られたらダンボールは受け取らない
- 相見積りをした後に正式に契約する
- 見積時に少しでも不安があるのなら契約しない
- ダンボールは正式に契約が決まった後に受け取る
何度も経験しない引越しだからこそ、契約を決める決定権が曖昧になっていることも多いと思います。
ダンボール返却に関するトラブルを防ぐには、まずは信頼できる引越し業者かどうかを見定める判断が必要になります。
引越しのキャンセルは、色々な事情がありますので、どうしようもないこともありますが、いくつかの引越し業者から見積り取った後に、各社の違いに気付くことが多いのではないでしょうか。
信頼できる業者かどうかを判断するには、まずは見積りを1社だけにお願いするのではなく、できれば2~3社に見積りをお願いして、サービス内容や補償内容を比較するとよいです。
見積りは電話見積りではなく、面倒でも訪問見積りをお願いします。詳しい見積り内容を比較しないと分からないことも多いからです。
2社に訪問見積りをお願いする場合は、1社の見積り時間が平均30分として、1時間程で相見積りできます。
仮に見積り1社目で、印象が良い引越し業者だった場合にも、他に良さそうな引越し業者を探して見積りを取って比較しましょう。
今契約しないと値下げできないといってきた業者は信頼しないほうがよいと思います。ダンボールは絶対に受け取らないようにしましょう。
無理にダンボールを置いていこうとする業者には、ダンボールを置いていこうとする段階で、「キャンセルする場合にダンボールは引き取りにきてもらえますか?」と聞くとよいです。そこで話を濁すようなことがあれば、ダンボールは持ち帰ってもらいましょう。
業者側の利益だけではなく、自分のために色々と提案してくれているか、契約はじっくり考えてから連絡下さいなどと、即決を迫ってこない業者かなど、様々な判断材料で引越し業者を決めることが大切です。