引越し時のごみの出し方と処分方法に気をつけるもの

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引越しで荷造りをしていくと、大量にごみが出ることがほとんどですよね。

引越し時には、普段使っていないものを捨てることが多いので、ごみの分別方法や処分方法に迷うこともあると思います。

ごみの出し方や分別方法は、地域(自治体)によって異なるので、役所で配布しているごみに関するポスターや冊子、各市区町村の公式サイトを確認して、地域で定める処分方法・分別方法に従って処分することが大切です。

家電に関しては、リサイクル法に従って処分しないといけないもの(エアコン・テレビなど)があり、リサイクル法で定められた家電は、自治体によっては取り扱うことができないとしていることもあります。(家電リサイクル対象製品の処分方法

このページでは、ごみの出し方と、気をつけて分別・処分するものについてなどをまとめました。

引越し時のごみの出し方

  1. 可燃ごみ、不燃ごみなどは早めに分別して集積所へ出す
    • ごみ袋が大量になる場合は地域で定めた処分方法に従う
  2. 粗大ごみは事前に予約して地域で定めた処分方法に従う

引越し時のごみは、普段のごみの分別と同様に、可燃ごみ、不燃ごみなどと分けて分別して地域で定めているごみ集積所へ出しますが、一度に大量に出るごみについては、集積所に出せないことがあります。

大量に出たごみの収集方法

横浜市と東京23区の中からいくつかの区を例にして、大量に出たごみの収集方法をにまとめてみました。

横浜市で定めている収集方法

引越などによる大量のごみは、一度に集積場所へ出されますと、通常の収集に支障をきたすため、収集していません。このような一時多量ごみの処理の仕方は2通りございます。

(1)業者へ依頼する。 横浜市一般廃棄物許可業協同組合へお問い合わせください、許可業者をご案内します。(以下省略)

(2)工場へご自分で搬入する。 まず、お住まいの区にある資源循環局事務所へお申し込みください。(以下省略)

出典 : 横浜市 よくある質問

大田区で定めている収集方法

引越し、大掃除、植木の枝葉(おおむね4袋以上)のごみなど一度に多量に出るごみは、有料です。事前に管轄の清掃事務所にご相談ください。

出典 : 大田区 臨時ごみ(一度に大量のごみを出す場合)について

世田谷区で定めている収集方法

家庭から出るごみでも植木の剪定や引越し等で一度に大量に(45L袋で4袋以上)出す場合、または臨時に排出する場合は有料です。管轄の清掃事務局にお問い合わせください。

出典 : 世田谷区 ごみの出し方

練馬区で定めている収集方法

庭木の刈り込みや引越し、部屋の片付けなどで出た多量のごみは、一度に出すことはできません。通常の収集に一回で出していただける量は、袋の場合は45リットル3袋、刈り込み(木の枝)の場合は3束までです。

それを超えて出される場合は有料となりますので、管轄の清掃事務所にご相談ください。

出典 : 練馬区 大量にごみを出す場合

集積所へ出すごみ袋は、一度に出せる個数が決まっている市区町村が多いです。ごみが大量に出た場合は、お住まいの地域で定める処分法に従いましょう。

収集方法は、自治体によって異なりますが、市の許可を受けた収集運搬業者にごみの回収をしてもらう方法や、自分で直接ごみ処理施設に持ち込んで収集してもらう方法などがあります。

収集運搬業者に処分品の回収に来てもらう場合は、トラックの大きさや処分品の個数などで料金が決まることが多いです。軽トラックを貸し切る場合は、最低でも1万円以上はかかることが多いです。

粗大ごみを処分する場合は、どこの地域でも事前予約が必要になることがほとんどです。詳しくは、お住まいの自治体に問い合わせて早めに処分をしましょう。(粗大ごみの出し方

捨て方が分かりにくいごみ

  • 電池
  • ライター
  • スプレー缶・カセットボンベ
  • 体温計
  • 電球

電池

電池は、乾電池やボタン電池などがあります。

いわゆる円筒型の乾電池は、地域で定めた分別方法に従ってごみ集積所に出しますが、ボタン電池は、家電量販店に回収してもらうことや、自治体が設置している回収ボックスに出すことになっています。

円筒型の乾電池は、有害ごみとして回収する自治体や小売店が多いですが、不燃ごみとして回収する地域もあるようです。

現在日本で生産されている円筒型の乾電池は、水銀が含まれていないので、特に大型都市部などでは不燃ごみとして回収されていることが多いようですが、お住まいの自治体の定める処分方法に従って捨てましょう。

ライター

使い捨てライターは、通常は、使い切ってから地域で定める処分方法に従って捨てます。

もし、ガスが残っている状態で処分したい場合は、ガス抜きをしてから処分します。ガス抜きの際は、火の気がないところでガスを吸い込まないように気をつけて、子供を近づかせないように注意して下さい。

ライターの詳しい捨て方は、一般社団法人日本喫煙具協会で説明していますが、ガス抜きの主な工程は以下の通りです。

操作レバーを下げて(着火した場合はすぐに吹き消す)、粘着力の強いガムテープなどでレバーを下げたまま固定します。ガスが抜けている場合は、「シュー」という音が聞こえます。この状態のまま屋外に半日から1日放置し、着火操作をして火が着かなければガス抜き完了です。

スプレー缶・カセットボンベ

スプレー缶やカセットボンベを捨てる際は、中身が入っていないことを確認して地域で定める処分方法に従って捨てます。中身が残っている状態でごみに出すと、火災やボヤなどの事故につながるので、必ず使い切ってから捨てるようにして下さい。

中身が入っている場合のガスの抜き方は、製品に書いてあるガス抜き方法などに従いましょう。

スプレー缶やカセットボンベを使い切った後の「穴を開けるか開けないか」は、自治体によって異なりますので、処分方法を確認してごみに出して下さい。

体温計

体温計は、水銀で出来ているものと電子式のものとでごみの出し方が異なります。

ガラス管で出来ている水銀の体温計は、有害ごみまたは指定の袋に入れるなどし、水銀式の体温計だということが分かる状態でごみに出すのが一般的です。

また、水銀の体温計を捨てる際は、性質上割れやすいため、購入時のケースや保管用ケースに入れるなどして捨てます。ケースが見当たらない場合は、新聞紙などに包んで袋に水銀の体温計であることを明記した上で捨てると良いでしょう。

水銀式の体温計が割れた際に起こる危険性については、以下の「処分方法に気をつけるもの」の項目で詳しく説明しています。

電子式の体温計の処分方法は、電池を取り外して地域で定める処分方法に従って捨てます。取り外した電池も、適切に処分し、ボタン電池については、家電量販店に回収してもらうなどしましょう。

電球

電球は、蛍光管式、LED式などでごみの出し方が異なります。

蛍光管や蛍光ランプ、蛍光灯は、水銀が含まれているので、有害ごみまたは指定の袋に入れるなどしてごみに出すことが多く、蛍光管式以外のLED式の電球などは、不燃ごみに出す地域が多いです。

また、蛍光管式の電球でも、割れているものは通常とは違う処分方法になることもあるので、お住まいの自治体に確認して下さい。

処分方法に気をつけるもの

  • スプレー缶・カセットボンベ
  • 水銀でできている体温計・血圧計・温度計
  • 蛍光灯
  • ボタン型電池

スプレー缶・カセットボンベは引火の原因になる

スプレー缶やカセットボンベを中身が残ったままごみに出すと、火災の原因になるので、必ず使い切ってからごみに出すようにします。処理施設でボヤが起こることによる被害額は多大なものがありますので、地域で定める処分方法に従って捨てることが大切です。

また、スプレー缶やカセットボンベは、処分するまでの工程でも気をつけないといけません。

穴を開けたガスボンベをガスコンロ近くに置き、そのままガスコンロを使用した際に、放出したガスが引火した事故もあります。ガス抜きの際は十分に注意して正しい方法で処分しましょう。

スプレー缶などに穴を開けるか開けないかは、自治体によって対応が異なりますが、もし穴を開けて処分する場合は、近くに火の気がないことを確認して行うようにして下さい。

水銀使用製品は人体に有害をもたらす危険がある

水銀が含まれているものは、水銀式の体温計・血圧計・温度計や、蛍光灯または蛍光ランプ、ボタン電池などがあります。

水銀が含まれているものの処分方法を特別に気をつけないといけない理由は、人体に有害であることはもちろん、地球規模の環境汚染につながるからです。

地球規模の環境汚染というと、身近で起こる問題とは考えにくいのですが、昭和31年、熊本県水俣市における化学工場から排出されたメチル水銀化合物に汚染された魚介類を食べることによって起きた、中毒性の神経系疾患である水俣病が確認されています。

水俣病は、環境汚染の食物連鎖で起きた人類史上最初の病気と言われていて、汚染原因となった物質がメチル水銀なのです。

体温計などに使われている水銀は、メチル水銀とは性質が異なるので、間違えて飲み込んだとしても急性中毒を起こすことはないとしていますが、水銀式体温計が破損したとによって起こる水銀が飽和した空気中には、毒性を十分に発揮する量が含まれると危惧されています。

このことから、水銀を含む「体温計・血圧計・温度計・蛍光灯・ボタン電池」などの処分方法には、特別に気をつけないといけないということになります。

水銀使用製品が破損してしまったら?

水銀でできている体温計などをうっかり割ってしまったとしたら・・・拾って拭いて換気するという簡単な話では済みません。

環境省が公開している「家庭から排出される水銀使用廃製品の分別回収ガイドライン」の、水銀使用製品が破損した場合の対処方法についてまとめてみました。

蛍光管が破損してしまった場合

1.掃除する前

  1. 人やペットを部屋から出す
  2. エアコン等の運転を停止する
  3. 他の部屋や廊下に通じるドアを閉じる
  4. 屋外に通じるドアを開け、5~10分間換気する

2.掃除する時

  1. 硬い紙などでガラスの破片や粉をすくい取り、ポリ袋などに入れる
  2. 粘着テープを使って細かいガラスの破片等を集めて、ポリ袋などに入れる
  3. その場所を湿ったペーパータオルや使い捨ての布などでふき取り、ポリ袋などに入れる
  4. 掃除機の使用は、通常は望ましくないが、やむを得ず使用する場合は、掃除機をかけ終わった後、掃除機の紙パックを外して破棄する

3.掃除した後

  1. ガラスの破片や粘着テープ等は密閉したまま、建物外のごみ箱に入れる
  2. 手を洗い、処分方法を市区町村に確認する
  3. 数時間の間、部屋の換気を続ける

体温計が破損してしまった場合

水銀式の体温計が破損してしまった場合は、掃除機やホウキを使用しないのが原則です。ゴム手袋をはめて掃除しますが、金属類のアクセサリーは外しておきましょう。

  • 水銀蒸気を拡散させる恐れがあるため、掃除機を使用しない
  • 水銀蒸気を拡散させる恐れがあるため、ホウキで掃かない
  • 水銀を排水溝に流さない(配管内部や下水処理施設を汚染させてしまうことから)
  • 水銀に汚染されたスリッパ等で歩き回らない
  • アクセサリーや時計などの金属を身につけて掃除しない(水銀が金属と反応して水銀合成を生成してしまうことから)

1.掃除する前

  1. 人やペットを部屋から出す
  2. 全ての窓を開け、他の部屋や廊下に通じるドアを閉じる
  3. ゴム手袋をはめる

2.掃除する時

  1. ガラスの破片がある場合は、注意して拾い、ペーパータオルの上に置き、タオルごと丈夫なポリ袋に入れる
  2. 木材やタイルなどの滑らかな表面に破損させてしまった場合は、厚紙等を使って水銀の塊をゆっくりを寄せ集める
  3. 敷物等に破損させてしまった場合は、敷物等ごとポリ袋に入れて破棄する
  4. 水銀の塊は遠くまで散らばるため、懐中電灯を照らすなどして見逃しのないように取り除く
  5. スポイトを使って水銀を集め、湿ったペーパータオルや使い捨ての布などでふき取る
  6. ある程度の水銀を取り除いた後、ガムテープなどで残った水銀の粒を拾い上げる。

3.掃除した後

  1. 手を洗い、処分方法を市区町村に確認する
  2. 最低24時間、部屋の換気を続ける

同じ水銀使用製品でも、蛍光灯と水銀式体温計では、破損した際の対処方法が違います。

水銀式の血圧計や温度計が破損した場合は、体温計が破損した場合の対処方法を同じ工程で処分するとよいと思います。

ボタン型電池は他の電池等と一緒に保管しない

ボタン型電池は、他の電池等の金属製品が触れると、ショートして破裂、発火するおそれがあると言われています。

ボタン型電池を廃棄する際は、セロハンテープでボタン型電池を覆うなどして、電池の端子部分を絶縁すると良いようです。

まとめ

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引越し時のごみ処分は、早く部屋を片付けたい一心で、適当にごみを分別してしまうことも少なくないと思います。

適当にごみを分別して集積所へ出すと、正しく分別されていない理由から収集してくれないこともありますし、処分品の中には、スプレー缶やライターなど捨て方に気をつけないといけないものもあります。

ボタン電池等の電池類を外して処分することも大切です。電子式の体温計やおもちゃ、キッチンスケールなどは、電池が内蔵されているのを忘れやすいので注意が必要です。

水銀使用製品に関しては、取り扱い方ひとつで人体に有害を及ぼす危険性もあります。

水銀式でできている体温計や血圧計を所有している家庭は少ないとは思いますが、長年しまい込んでいる家庭もあるかもしれません。いざ処分するとなったら、廃棄するにあたって特別に注意しなくてはいけないという認識を持つことが大切です。

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