引越し見積りの上手な取り方とトラブルを防ぐ見積り方法

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引越しの見積りとは、引越し先に持っていく荷物量や引越し先までの距離、業者にお願いする引越し作業などから、引越し費用がどのくらいかかるのかを事前に算出することを言います。

見積りの内容を書面上に記載したものを見積書と呼び、見積書に書かれている内容に変更がなければ、見積書に書かれている見積額や引越し内容が、そのまま実際の引越し内容になります。

正確な見積りを取ることで、荷物量に見合ったトラックを手配することができるので、引越し当日になってトラックに荷物が積み込めないなどのトラブルを防ぐことができます。

このページでは、引越しの見積りを上手に取るポイントと、引越しのトラブルを防ぐ見積り方法についてまとめましたので参考にしてみて下さい。

見積りを取るまでに確認するポイント

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いざ見積りを取ろうと思っても、事前に何を確認しておけば良いの?思う方もいるのではないでしょうか。

見積り方法は、基本的には「電話での見積り」と、業者が家に来て視察する「訪問見積り」とに分かれます。

電話見積りと訪問見積りとで、事前に確認しておいたほうが良いことが少し違います。

見積り方法 確認すること
電話見積り
  • 運び出す荷物量
  • 家財サイズ
  • 建物状況・建物周辺状況(旧居・新居共)
  • トラックの駐車スペース(旧居・新居共)
訪問見積り
  • 運び出す荷物
  • 新居の建物・周辺状況
  • 新居でのトラックの駐車スペース

電話のみで見積りを取る方は、荷物量や住まい状況などを業者側が直接確認できないので、運び出す家財サイズや建物状況(外階段・エレベーターの有無・玄関や階段幅)・建物の周辺状況(外階段の幅や道路幅)などを、依頼者自身ができるだけ正確に伝えます。

わかる範囲で対応してくれる業者がほとんどですので、詳しく分からなければ業者側の指示に従いましょう。

一方訪問見積りをする場合は、運ばない荷物(処分品)と運び出す荷物を明確にしておけば、自宅で業者側が色々と確認してくれるので、自分で確認することは少なくて済みます。

気をつけることとして、訪問見積りの場合でも、新居の建物状況や建物周辺状況までは業者側が把握しきれないということです。新居近くにトラックを停める場所があるかどうか、運び入れる荷物が、新居の玄関や階段を通れるかなど、わかる範囲で伝えることが必要です

見積りは無料ですが、新居先へ下見に業者が行く場合は、下見をする上でかかった交通費などの費用を業者側から請求されることがあります。

引越し先の住所が正確に決まっていなくても見積りできるの?

引越し先の住所が正確に分かっていなくても、見積りを取れる場合もあるようです。

見積金額を算出するうえで、必要になる要素は、荷物量・移動距離・作業条件・引越日等ですが、その中でも移動距離は重要な要素になります。

そのため、転居先が不明な場合は正確な見積金額はご提示できませんが、転居先の市区町村までわかっていて、その他の見積りに必要な要素が決まっていれば、概算の見積金額はご提示することができます。

その場合、後ほど正確な住所がわかり次第、改めて正式なお見積りをご提示いたします。

※日本通運 「よくある質問 : 見積りについて」

お引越しの大体の住所が分かっているようでしたら、お見積りにお伺いさせていただきますので、ご安心ください。(お引越しが混み合う時期はお引越先がお決まりの方から優先してご案内する場合がございますのでご了承下さい。)

※サカイ引越センター 「よくあるご質問 : お見積りについて

例として、「日本通運」と「サカイ引越センター」の公式サイトから引用させていただきました。

全ての引越し業者が、日通やサカイのような対応かどうかは分かりませんが、大体の引越し先が分かれば、見積りを取ってくれる業者は案外多いのかもしれませんね。

引越し希望日はいくつか用意しておいたほうがお得?

引越しする上で引越し日は必ず伝えるものですが、希望する引越し日に幅を持たせられる場合は、業者側に引越し日を決めてもらうことで通常の引越し料金の半額まで下がることもあります。

例えば、「△日でお願いしたいです」と伝えるよりは、「△~○日の間でお願いしようと思っているのですが」と伝えるほうが、引越し料金が下がる可能性が高くなります。

引越し日に融通が利くと、業者側がトラックの予約をうまく入れることができるので、その分トラックの稼働率が上がります。稼働率が上がれば売り上げも伸びるので、料金を下げて依頼を受けることができるのです。

依頼者側は、引越し日が引越し直前までわからないデメリットがありますが、いつまでに引越し日が決まるのかを確認して、見積書に証拠として書いてもらえば不安は軽減されると思います。

引越し希望日に幅を持たせられる方は少ないかもしれませんが、条件に合えばお得に引越しできる可能性は高いです。

運び出す荷物はどの程度分かっていれば良いの?

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運び出す荷物についてですが、細かい荷物の必要性までは分からなくても大丈夫です。

もちろん、見積りをする時点で運ぶ荷物が細かく分かるのが理想ですが、荷造りしていくうちに処分する荷物もあるとは思うので、正確に荷物量を伝えることは困難だと思います。

大体運び出す荷物が分かっていれば、見積りをお願いしてしまいましょう。その際に、大型家具・家電や自転車などのかさ張る荷物を持っていく場合は、忘れずに申告することが大切です。かさ張る荷物は、引越し当日になってやっぱり運びたいとのことがあっても、追加料金がかかるか運んでくれないことがあるので注意して下さい。

見積りを取る時期について

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不用品処分にかける時間や、荷造りに要する時間などを考えると、大体引越しの1カ月前までには見積りを済ませておいたほうが良いと一般的には言われています。

見積りを依頼できる時期は、引越し2カ月前からお願いできる業者が多いですが、早いところでは引越し3カ月前頃から見積りができるところもあります。

早い時期に見積りを取ると引越し料金が高くならない?

引越し業者が家にくる訪問見積りをお願いする場合は、「荷物が片付いていないと見積額が高くなってしまうのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、引越し直前になって運び出す荷物が曖昧になっているほうが、大きめのトラックを用意されて見積額が高くなってしまいます。

見積り時は、部屋の片付けはそこまでしっかりしなくても大丈夫ですし、不用品処分も焦ってする必要はありません。

引越し日までに荷造りを終えられるように、計画立てて見積りをお願いすることが大切です。

余裕を持って見積りを取るメリット

  • 引越し作業に取りかかる勢いがつく
  • 荷造りにかける時間に余裕ができる
  • 不用品の処分方法などに時間がかかっても安心できる
  • 繁忙期など引越し需要が多い時期にも落ち着いて業者探しができる
  • 悪徳業者にだまされるリスクが軽減される

運び出す荷物量などで荷造りにかける時間は変わるので、引越し前の準備期間には個人差があるとは思いますが、早めに見積りを取ることのメリットはいくつかあると思います。

思いがけず不用品が出た場合や荷造りに時間がかかった場合など、時間に余裕があれば安心です。不用品や粗大ゴミなどは、地域で定めている処分方法に従わなければいけないなど、簡単に処分できないものも多いので早めに確認することが必要です。

また、見積りを取る時期が遅いと、引越し希望日に引越しをお願いできない場合があります。その多くは、「急な引越し」「3月中旬から4月までの繁忙期にする引越し」「ゴールデンウィークなど大型連休にする引越し」などに当てはまる引越しです。

引越し2~3日前でも対応している業者もありますが、3月~4月などの引越しする人が多い時期に引越しする方は、早めに見積りをお願いしたほうが良いです。

引越し業者選びも、時間に余裕があったほうが落ち着いて比較検討できます。焦って引越し業者を探すと、悪徳業者に目を付けられてしまうこともあるので気をつけましょう。

単身引越しと家族引越しとで見積りの仕方が違う?

一人で引越しする単身引越しと、数人で引越しする家族の引越しでは、運び出す荷物量や家財サイズに違いがあります。

一般的には、単身引越しで荷物量が少なければ電話のみの見積りに対応している業者が多く、家族引越しでは、訪問見積りを原則としている業者が多いです。

引越し荷物が多く大きな家財がある場合や、エアコン脱着作業などのオプションサービスを色々と検討したい方は、正確な見積りを出すためにも、営業担当者が自宅に来て視察する訪問見積りが必要になると思います。

家族引越しでも電話のみの見積りはできる?

家族引越しの場合は、電話見積りは原則できないとしている業者は多いですが、電話見積りのみでも対応している業者もあります。

電話のみで引越しをお願いできるのは手間が省けて良いのですが、中には仕事欲しさに意図的に依頼を受けている業者もあります。

引越し当日になってトラックに荷物が入りきらない、自分が思っていた引越し内容ではなかったということがないように、電話見積りのみの場合でも、見積書を郵送やファックスで送ってもらうなどして引越し内容を確認しましょう。

業者の中には、1社目で訪問見積りをした内容が分かれば、電話でその内容を伝えてもらえれば見積りが取れるという提案をしてくる場合もあります。

このように、業者によって見積りの対応が違い、引越し人数や運び出す荷物量などによっても、電話見積りか訪問見積りかで適した方法が違います。

引越しトラブルを防ぐ見積りの取り方

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  1. 複数の引越し業者から見積りを取る
  2. 意見や要望を聞いてくれる業者を選ぶ
  3. 見積書を発行してもらう
  4. 契約時に取り決めたルールを細かく確認する
  5. 依頼者自身も見積り内容に従って協力する

1.複数の引越し業者から見積りを取る

引越しトラブルを防ぐためには、複数の引越し業者から見積りを取って引越し内容を比較検討することが必要です。

これを相見積り(あいみつもり)と呼び、料金だけではなく万が一の補償内容なども比較検討できます。相見積りの1番のメリットは、引越し内容についての相場が分かることです。

1社のみの見積りでは、見積りが妥当かどうかの判断がつきにくいです。同じ引越し内容だったらこっちの業者のほうが料金が安いし対応も丁寧だったなど、相見積りを取ることで事前に業者を見定めることができます。

2.意見や要望を聞いてくれる業者を選ぶ

引越し業者を選ぶ際に、意見や要望をしっかり受け止めてくれる業者かどうかを判断しなくてはいけません。

依頼者に合わせた提案力が必要になるので、例えば、営業担当者の意見のみで話し合いが成立するような引越しは満足できる可能性は低いと思います。

引越しのトラブルでよく聞くのは、「今契約しないと安くできない」と即決を迫られることや、「段ボールを無理に置いていって一方的に契約させられた」のようなことがあります。

無理に契約させようとする業者は、いくら引越し料金が安くても満足できる引越しにはなりませんので、依頼者の意見を受け止めてくれる業者選びが大切になります。

3.見積書を発行してもらう

引越しの契約をすると見積書が作成されますが、電話のみで見積りを取って契約する方は見積書が手元にないことも多いと思います。

口約束での引越しは言った言わないのトラブルが多くあるので、電話見積りのみの場合でも、契約した場合はメールで引越し内容の詳細を送ってもらったり、郵送やファックスで見積書を送ってもらうようにしましょう。

訪問見積りをする場合は、その場で見積書が発行されるはずなので、きちんと確認して保管しておきます。

見積書には、注意事項や引越し内容などが詳しく書かれています。疑問点が残らないようにきちんと目を通しておきましょう。

4.契約時に取り決めたルールを細かく確認する

見積書が発行されていたとしても、細かく見積書を読んでいないことでのトラブルがあります。

主な注意事項は分かりやすく記載されていることがほとんどですが、キャンセル料についてや補償内容についてなどは、分かりにくい表現で文字も小さく記載されていることもあります。

何かトラブルが起こらない限り見積書や契約書を細かく確認しない方が大半だと思いますが、契約内容に同意の上で引越しをお願いした場合は、トラブルが起こったとしても契約時に取り決めたルールに拘束されるので、知らなかったでは対応してくれないことが多いです。

引越し業者の多くは、国土交通省が定めている標準引越運送約款に基づいて引越しのルールを決めていますので、標準引越運送約款で注意するポイントの記事も参考にしてみて下さい。

5.依頼者自身も見積り内容に従って協力する

見積りとは、本来、業者側と依頼者側、双方の捉え方の違いがあってはいけないものです。

「伝えたはずが伝わっていなかった」「聞いていたけれど忘れていた」などのトラブルは、引越し内容の把握不足や確認不足が原因になります。

もちろん、業者側の努力なしでは満足できる引越しにはなりませんが、依頼者自身も見積り内容に理解を示すことが必要になるのではないかと思います。

全て業者任せ、業者の責任にするのではなく、依頼者自身も協力することで満足できる引越しになり、引越し業者も引越し作業に気合いが入るのではないかと思います。

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