引越しの手順 ~入居時と引越し前後で確認すること~
「もうちょっと広い家に引越ししたい」「今より家賃が安くて良さそうな物件を見付けたい」など、今住んでいる家を引越ししたいと考えた場合は、できるだけ早く引越ししたいと考えますよね。
しかし、引越しする前には、いくつか確認しなければいけないことがあります。賃貸住宅に住んでいる方は、解約予告期間に従って退去することが定められていますので、今すぐに引越しとはいかないことが多いです。
また、引越しする上で必要な荷造りにも意外と時間がかかります。特に、不用品を処分する際は、不用品の種類によっては回収方法が複雑なことがありますので、余裕を持って処分することをおすすめします。
他にも、お子さんの保育関係、学校関連の手続きや、パソコンや固定電話の引越しなどの早めにしたほうがよい手続き、割と引越し近くなっても大丈夫な手続きなどがあります。一つ一つ優先順位を決めて引越し準備を進めていきましょう。
引越しの初期費用を確認
引越ししたいと思った時に、始めに考えるのは初期費用のことではないでしょうか。
引越しの初期費用は、当たり前のことですが、引越し先が賃貸住宅か一戸建てかによって大きく変わります。一戸建てに引っ越す際にも、建て売り物件に引っ越す場合と、新規で家を建てる場合とで、必要になる初期費用が違います。
新規で家を建てる場合も、建て売り物件を購入する場合も、ローン関係の費用(ローンを組む場合のみ)や、税金、登記関係の費用などがかかりますが、新規で家を建てる場合は、この他にも、建築工事費、地鎮祭・上棟式・竣工式の費用がかかります。
以下では、家を借りる際の初期費用のポイントをまとめてみました。
<初期費用のポイント~賃貸住宅に住む場合~>
- 家賃は手取り収入の3分の1以下
- 入居時の費用として家賃5~6カ月分を用意
生活していく上で、無理なく家賃を支払える部屋を探します。
目安として、手取り収入の3分の1に家賃を収められるとよいと言われていますが、レジャー費や、もしものための積立貯金のことを考えると、収入の3分の1以下の家賃にしたほうがよいと思います。
入居時に必要な費用は、日割り家賃や仲介手数料、敷金、礼金、管理・共益費、火災保険料、鍵交換代などがあります。
敷金や礼金は家賃1~2カ月分、仲介手数料は家賃0.5カ月分、火災保険料は1~2万円としているところが多いです。駐車場を借りる場合は駐車場契約金もかかります。
これら入居時の費用の他にも、前家賃の支払いや、電気や水道などのライフラインの支払いなど、日々の生活費を踏まえて引越しの初期費用を用意しなければなりません。
入居時には、物件によっては部屋の消毒をすすめられることもあるけれど、断れることもあるわよ。
引越しの初期費用を安くする方法の記事も参考にしてみて下さい。
引越し方法を確認
引越し時の荷物の運び出しや運び入れは、自分達でやるか引越し業者にお願いするのかを考えます。
運び出す荷物サイズが、小さくて重量がないものでしたら自分達でも運搬できますが、ある程度重量のある荷物を運ぶ際は注意が必要です。荷物に傷がつく危険性、腰を痛めたりケガが伴う危険性を考えて検討しましょう。
特に、冷蔵庫や洗濯機は、横に倒すと故障する恐れがあります。大きな家具や家電は、玄関以外の搬入口から運び入れるケースもありますので、プロの目線と作業が必要になることもあります。(荷物が玄関から入らない場合の体験談)
費用のことを考えると、できるだけ自分達で引越ししたほうが安く抑えられますが、手伝ってもらった人、1人あたりに謝礼金として5,000円程度は渡すようになることも考えられます。
引越し料金は、いくつかのポイントを押さえれば安くなります。
できるだけ引越しが安くなる方法の記事も参考にしてみて下さい。
引越しが決まったら早めにやることを確認
引越し費用の目途がついて、引越しに伴う手続きが確認できたら、いよいよ引越し準備に取りかかります。
- 引越し元の退去申告
- 固定電話・パソコンの引越し手続き
- 保育関係・学校関係の手続き
- 引越し業者選び
- 粗大ごみ・不用品の処分
引越しが決まってまずやることは、契約解除の申し入れです。解約予告期間は1カ月前としていることが多いですが、それよりも前に解約の旨を伝えても大丈夫です。解約手続きは電話での解約を認めていないことが多く、その場合は、書面による解約手続きが必要になります。
パソコンや固定電話の引越し手続きが必要になる場合も、早めに連絡しておきましょう。NTT機器の返却手続きや、開通工事が必要になるかどうかなどを確認します。開通工事は、混み合う時期には近日の予約が取れないこともあります。
保育関係、学校関係の手続きは、必要書類等を揃える必要がありますので、余裕を持って行いましょう。できれば、自治体等の手続きをする前に、担任の先生に引越しの旨を伝えておくと良いと思います。
私の経験上、自治体でやる保育関係の手続きは、待機児童の問題もあってか、対応がかなり速いと感じます。もしかしたら、引越しの相談をした時点で、保育所に連絡が行くこともあるかもしれません。
自治体によって対応が異なることだとは思いますが、担任への引越しの連絡は、直接保護者から伝えたい方もいるとは思いますので、自治体に引越しの相談をする際は、保育所へ連絡するかどうか確認しておくと良いでしょう。
パソコンや固定電話、保育関係などの学校関連の手続きは、新居確定後するにやる手続きの記事も参考にしてみて下さい。
引越し業者は、引越しが決まったらできるだけ早めに探して、引越し1カ月前までには選んでおきましょう。
引越しの見積りは、だいたい引越し2カ月前から受け付けていることが多く、場合によっては引越し3カ月前から見積りを受け付けていることもあります。
引越し業者選びを早めにしておけば、余裕を持って引越し業者の比較検討ができますし、荷造りや不用品処分などの引越し準備に勢いがつきます。
不用品の処分は、住んでいる地域によって収集方法が異なり、自治体で回収していない不用品もありますので、早めに処分方法を確認しておくとよいでしょう。(引越し時の不用品処分方法)
引越し業者を決める前にやること
- 新居の下見
- 不用品の確認
- 複数の引越し業者を比較検討する
- 契約内容をきちんと確認する
引越し業者に見積りを取る前に、運び出す荷物が新居の搬入口に入るかどうかを確認し、トラックを横付けできる場所、トラックが通る道路幅なども確認しておきます。
訪問見積りは引越し元ですることが多いので、引越し元の周辺状況は業者の方が直接確認できるので確認しなくても大丈夫ですが、電話のみの見積りの際は引越し元の周辺情報も確認して伝えます。
引越し業者の見積りを取る前に、新居に持っていかない不用品も確認しておきましょう。
見積りの段階では、不用品の処分まではしなくても大丈夫ですが、引越し先に持って行く荷物なのか処分する荷物なのかは見積り時に決めておくとよいと思います。
大きな家具や家電、自転車などは、持って行くか持って行かないかでトラックの大きさが変わることがあり、引越し費用が左右することもあります。
また、引越し業者の見付け方にもポイントがあります。
引越し業者は、不動産のすすめなどで決めてしまって比較検討しない方も多いと思いますが、引越し業者の比較検討はとても大切です。
引越し内容によっては、比較検討することで万単位で費用が異なることもあります。
あまりにも安いと不安になることもあるかもしれませんが、引越し費用は、トラックの空き状況で大きく異なりますので、ホテル代のようにタイミングが合えば、各社で引越し内容が大きく異なることがなく、かなりお得に引越しできます。
日々の食材は、一円でも安いお店でとチラシを比較しているけれど、引越しといった金額が大きなものは、比較対象が分かりにくいし、比較するのが面倒だったりでついどこの業者でも良いと思いがちになるわよね。
確かに、金額の大きいものの比較検討は面倒なところがあるかもね。
しかし、引越し業者は、良さそうな業者を2~3社探して連絡するだけでも立派に比較できるし、この前の引越しで私たちが利用した引越し業者の一括見積りサイトを利用しても簡単に比較できたよね。
そうね。不動産の紹介で引越し業者を決めたことがあったけど、今思うと、特別安かったわけではないし、引越し内容を含めてもうちょっと比較するべきだったなと感じたわ。
引越しまでにやることを確認
引越し業者が決まったら、いよいよ荷造り開始です。大きな家具や家電は、引越し業者が梱包から設置までしてくれますので、その他の自分が荷造りするものを段ボールに詰めていきます。
引越しプランによっては、荷造りを業者にお願いできることもありますが、引越し当日までに自分が梱包しなければいけないものは、きちんと荷造りしておきましょう。
転出手続きは、今住んでいる市区町村から別の市区町村に移る場合に行います。引っ越す日までに引越し元で行うことが原則としており、引越し14日前から手続きができることが多いです。
また、転出手続きと同時に、国民健康保険の資格喪失の手続きや児童手当の消滅手続きなどの転出に伴う手続きを行います。
※市区町村内で住所が変わった場合は、引越し先に住み始めた日から14日以内に転居に伴う手続きを行います。
役所関連の手続きと同時に、電気や水道、ガスなどのライフラインの手続き、銀行やクレジットカードなどの生活関連の手続きも必要になります。郵便局の転送サービスも忘れずに手続きしましょう。
郵便局の転送サービスは、旧住所に届く郵便物・荷物を、新住所へ1年間無料で転送してくれるサービスです。
転送サービスの手続きをしないと、大事な書類が新住所へ転送されずに困ることがあります。年賀状も、せっかく出してもらったのに相手に戻ってしまっては失礼ですよね。
転居報告は年賀状と兼ねて知らせるのでも大丈夫ですが、郵便局の転居サービスはきちんとしておきましょう。
荷造りや手続きがある程度終わり、いよいよ引越しが近くなってきたら、引越し元と引越し先のご近所さんへ挨拶に伺います。
引越しの挨拶は、一人暮らしの方や、子供がいる世帯などの家族構成であり方が変わってきますが、大家さんやお隣さん、同じ集合住宅の方などこれから顔を合わせる相手には、きちんと挨拶しておくとよいと思います。
引越し挨拶は、引越し当日に騒音などでご迷惑をおかけしますとの意味も含まれますので、できれば引越し当日までに、遅くても引越ししてから2~3日までにしたほうが良いと思います。
退去時の掃除が終わり、冷蔵庫や洗濯機の搬出準備を済ませ、手回り品を準備して引越し当日を迎えます。
引越しの準備や確認をきちんとしていれば、引越し当日は、大変なこともなく無事に引越しが完了するでしょう。
引越し後すみやかにやることを確認
- 荷解き
- 転入届の手続き・転入届に伴う手続き
- 自動車関連・子供関連の手続き
- 運転免許証の住所変更・自動車・二輪バイクの登録変更
- 各種保険の住所変更
- 乳幼児健康診査受診票・予防接種予診票の申請
引越しが終わったあとに荷物の破損や損傷に気がついた場合は、すみやかに引越し業者に連絡します。
引越し業者が運んだ荷物は、引越し業者に賠償の責任がありますが、引越し後3カ月以上が経過してしまうと賠償の責任は消滅してしまいます。
荷物の破損や損傷に早く気がつくためにも、すみやかに荷解きすることが大切です。特に、すぐには使わない季節品はチェック時期が遅くなることがありますので、早めにチェックしましょう。
引越し元を転出した際は、引越し先で転入手続きが必要になります。転入届の手続きや転入届に伴う手続きは、引越ししてから14日以内に行います。
転入手続きの他にも、運転免許証の住所変更、自動車などの登録変更が必要になります。
また、転出の際は、乳幼児の健診票や予防接種の予診票の申請手続きが必要になります。
地域によっては、転入手続きをすると、自動的に健診票や予防接種予診票の申請手続きが行われることもあるようですが、予防接種はスケジュールが決まっていますので、管轄の自治体に確認しておいたほうがよいと思います。