引越しで部屋を探す時期と二重家賃の回避方法
春から新社会人になる方や、更新月が近づいている方、転勤を控えている方など、引越しが決まって家探しを控えている方もいるでしょう。
賃貸物件の部屋探しは、引越しが決まってから物件を探す人がいれば、よい物件があったから引越しする人もいるとは思います。どちらの場合にも、今住んでいる賃貸物件の解約予告期間のタイミングを考えて部屋を探すとよいと思います。
また、部屋を探す時期を考えることも大切です。一年で最も空き物件が多い時期は、1~3月、9月頃と言われています。この時期は、部屋を解約する人が多い時期なので、その分空き物件も多く出ます。
物件数が多い1~3月は、気に入った物件が見付かる可能性が高いですが、倍率が高い時期ですので、待ったなしの契約が必要になり、二重家賃が発生する可能性があります。
部屋探しに適した時期は、人によって条件が違いますので、いつがよいとは一概には言えませんが、時期によって、物件の空き状況や家賃相場などが変わりますので、余裕を持って部屋を探すとよいと思います。
部屋探しをする時期はいつがよい?
引越し時期を決められる場合は、空き物件が多い時期に部屋を探したり、借り手が見付からない時期に部屋を探すと掘り出し物件が見付かるかもしれません。
更新月が3月などと決まっている場合は、2月までに新居物件を見付けなきゃと焦るかもしれませんが、更新月より前に引越しできればいつ引越ししてもよいと思いますので、余裕を持って物件を探しましょう。
引越し時期/おすすめ度 | 特徴 |
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1~3月 ★★★★ |
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4~5月 ★★★★ |
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6~8月 ★★★★★ |
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9~11月 ★★★★★ |
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12月 ★★★ |
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1~3月は貸し手市場
部屋を探し出す人が多い1~3月は、貸し手市場になりますので、待ったなしの契約になることが考えられます。
通常は、今住んでいる物件の解約予告期間である1カ月先までは、フリーレント期間ということで家賃発生を抑えてくれることが多いのですが、繁忙期は、入居者がどんどん決まってしまいますので、家賃発生を遅らせてもらえない可能性があります。(フリーレント期間は物件によって異なります。)
引越しする人が多ければ、その分空き物件が多く出ますので、気に入った物件が見付かる可能性が高くなるメリットはありますが、初期費用など色々な値段交渉は難しくなると思います。
4~5月は掘り出し物件に期待
繁忙期を終えて、入居者がいなかった物件が掘り出し物件となっていることがあります。
3月を終えて残っていた物件は、礼金なしなどにして、借り手側の条件を良くして貸し出されることもあります。
4~5月は、不動産業界も一段落する時期ですので、希望条件に合った物件をゆっくり内見できるなどのメリットがあります。
6~8月は借り手市場
6~8月は、引越しする人が少ないので空き物件も少ないですが、家賃を下げてでも空室期間をなくしたいと考える大家さんが多いので、一年で一番借り手市場と言える時期でしょう。
人気物件の家賃が低くなる可能性が高いですし、礼金なし物件が多く出回るのも6~8月時期です。
気に入った物件が見付からない場合は、無理に契約をせずに、空き物件が多く出る9~11月時期に再度探すことをおすすめします。
9~11月は最適な物件探し時期
転勤などで空き物件が多く出る時期ですが、1~3月時期程混み合いませんので、多くの空き物件をゆっくり内見できるメリットがあります。
物件数や家賃相場など総合的に見ても、一年で一番掘り出し物件が見付かる可能性がある時期です。
更新月が3月の方で、1月や2月に物件を探そうと考えている方は、余裕を持って9~11月に物件を探してもよいと思います。
12月はあまり良い物件探しに期待できない
空き物件が少なく、大家さんが来年の繁忙期に向けて物件に力を入れる時期です。
そこまで人気のない物件も、来年の1~3月に埋まるだろうと考えて、そこまで良い条件で貸し出してくれない可能性があります。
引越しにおすすめな時期は?
- 平日
- 午後
- 月の上旬・中旬
- 3月中旬から4月上旬を避けての時期
不動産業界の繁忙期は、1~3月ですが、引越し業界の繁忙期は3~4月です。
4月から新生活がスタートしますので、1~3月に物件を探し出し、3月中旬から4月上旬に引越しする人が多いです。
3月中旬から4月上旬は、一年で最も引越しが混み合う時期ですので、引越し料金の値下げ交渉が利きません。閑散期の引越し料金の3割増しになるのが通例です。
引越し料金を少しでも安くしたいのであれば、土日休日ではなく平日に引越しをしたり、午後からの引越しにしたりと色々方法はありますのが、3月中旬から4月上旬を避けて引越しするのが一番安く引越しできるコツです。
賃貸物件に入居するまでの流れ
部屋探しを始める時期が決まったら、行動に移します。
インターネットである程度の物件情報は探せますが、詳しい情報やこれから空く物件の情報は、不動産屋に直接足を運んで話を聞きに行きましょう。
入居までの流れを大まかにまとめてみました。
引越し2カ月前
- 部屋探しを始める
- 場所や間取りなどの希望条件を決める
- 手取り収入の3分の1以下の家賃相場から部屋を決める
- 家賃以外の管理費や駐車代など月額費用を確認する
- 敷金・礼金などの初期費用を確認する
引越し1カ月半前まで
- よさそうな物件が見付かったら不動産屋に話を聞きに行く
- 実際に物件を内見させてもらう
- 希望条件に合う物件が見付かるまで内見する
引越し1カ月前まで
- 新居を決めて入居申し込みをする
- 賃貸借契約の解約を申し出る
引越し当日まで
- 新居の鍵を受け取る
- 壁紙など建物に傷や汚れがないかチェックする
- 傷や汚れがあれば写真を撮って不動産屋に連絡する
引越し当日
- 建物に傷がつかないように引越し作業開始
- 入居スタート
新居を探す時期は、ここでは目安として引越し2カ月前としておりますが、すぐに気に入る物件が見付かることもがあれば、中々条件に合った物件が見付からないこともあります。
今住んでいる賃貸物件の解約申し入れ(解約予告期間)は、一般的には解約1カ月前としているところが多いですが、物件によっては、2カ月前や3カ月前などと期間が異なることもありますので、契約書の確認が必要です。
新居物件が決まったら、入居の申し込みをします。入居審査が通ったら、重要事項の説明を受けて正式に契約締結となります。
賃貸借契約を結ぶ際は、原状回復や特約事項の内容をしっかり理解しておくことが大切です。部屋を借りるわけですので、ルールに沿って生活する義務が借主(入居者)にはあります。
部屋の傷や汚れの中には、原状回復の修繕費用として、借主が負担しなければいけない項目がいくつかあります。何をすると借主が負担しなければいけないのか確認しておきましょう。(原状回復や特約事項を理解しよう)
二重家賃について
賃貸物件から賃貸物件に引越しする場合は、二重家賃が発生する可能性があります。
二重家賃とは、今住んでいる部屋の家賃と、新居物件の家賃が二重に発生することを言います。
二重家賃が発生する原因は、解約予告期間が1カ月前などと期間が決められているからです。解約予告期間が1カ月前と決まっている場合は、物件に住んでいても住んでいなくても、期間分の家賃は支払わなければいけません。
多くの場合は、新居物件を探してから解約申し入れをしますよね。気に入った物件が見付かり、すぐに入居を決めないと他のお客に取られてしまうような場合は、解約予告期間である1カ月先まで待っていられないこともあると思います。
例えば、新居物件が、2週間後からの入居が条件であって、旧居物件の解約予告期間が1カ月前と決まっている場合は、解約予告期間から2週間分を引いた期間がダブルで家賃が発生することになります。
二重家賃が発生してしまうのは、ある程度は仕方のないことなのですが、できるだけ無駄に家賃を支払いたくありませんよね。
二重家賃を回避する方法はあるのでしょうか。
二重家賃の回避方法
- 新居物件にフリーレント期間があるか確認する
- 希望月からの家賃支払い物件を探す
- 解約予告をしてから新居物件の契約をする
不動産業界は、借り手市場が続いていますので、新居物件の申し込みから2週間~1カ月程度は、フリーレント期間として家賃発生がないようにしてもらえることが多いです。
申し込みが自分だけの場合は、このフリーレント期間を利用できることが多いですが、物件を探している人が多い、1~3月時期の交渉は難しい場合もありますので、不動産屋と相談してみて下さい。
また、物件を探している時に、引越し希望月に空く物件を探しておくと、二重家賃を抑えられる可能性が高いです。狙うのは、今すぐには入居できない物件です。
入居時期が少し先であれば、解約予告期間前に解約の申し出ができますので、二重家賃が発生することはなくなります。
今すぐには入居できない物件は、すでに入居している方がまだ住んでいる状況なので、内見できないデメリットはありますが、早めに情報を聞いておけばスムーズに部屋探しができるのではないでしょうか。
その他に二重家賃を防ぐ方法は、解約予告をしてから新居物件の契約をすることです。
この方法は、解約予告をしたものの、気に入った物件が中々見付からないといったリスクはありますので、あまり現実的ではありませんが、気に入った物件が見付からななくても、実家などで一定期間生活できる人にはおすすめです。