引越しの流れと準備~新居決定から引越し前日~

新居・引越し予定日決定

引越しが決まったらまず、賃貸住宅に住んでいる方は、契約書に定められている解約予告期間を確認して、今住んでいる住居の貸主に退去(契約解除)の申し出を行います。

その後、引越し業者を選び、荷造りを始めます。荷造りと同時にライフラインや役所関連・学校関連の手続きも必要になってきます。

引越しには色々な準備・手続きがありますが、優先順位を決めて一つ一つ作業を進めていきましょう。

引越しまでの流れ

期間 内容 対象
新居決定後すぐに 旧住所の退去申告 賃貸物件に住んでいる人
新居の下見 全ての人
地域事情をチェック 全ての人
引越しに伴う各種手続き
すみやかに 粗大ごみ・不用品の処理 全ての人
引越し業者選びの後すぐに 荷造り 全ての人
引越し1カ月前までに 引越し業者選び 引越し業者に依頼する人
引越し前日までに 引越しに伴う各種手続き(役所関連)(生活関連
近隣住民への挨拶 全ての人
石油ストーブの油抜き 石油ストーブを新居に持っていく人
引越し前日に 冷蔵庫・洗濯機の搬出準備 冷蔵庫・洗濯機を新居に持っていく人
手回り品・身の回り品の準備 全ての人

新居決定後すぐ・すみやかにやること

  • 旧住居の貸主に連絡
  • 新居の下見
  • 地域事情の確認
  • 学校関連の確認
  • 粗大ごみ・不用品の処理

旧住居の貸主に連絡

部屋の解約予告期間は、一般的には退去する1カ月前までとなっています。まれに2カ月以上前が予告期間となっている場合もあるので、賃貸借契約書をよく確認しましょう。解約申し入れが遅くなると、二重家賃の支払い期間が長くなる場合があります。(二重家賃について

また、契約解除は電話での解約を認めていないところが多く、その場合は、書面による予告をもって解約の申し入れを行うことになります。

退去予告は、賃貸借契約書をきちんと確認した上で余裕を持って伝えることが大切です。

新居の下見

  • 道幅チェック
  • 玄関・各部屋の入口の大きさをチェック
  • 洗濯置き場の幅チェック
  • 階段・踊り場の幅チェック
  • 新居に傷がないかチェック

引越し業者に見積りを頼む前に、新居情報がある程度分かると引越し料金が具体化します。

チェックポイントとしては、新居にトラックが横付けできるかどうか、搬入口に大型家具・家電が入るかどうか、新居に傷がないかどうかなどです。

引越し当日にトラックが横付けできないことが分かると、作業員を増やしたりトラックの大きさを変更して数回に分けて荷物を運ぶこととなり、追加料金が発生する場合があります。

道幅チェックの目安

引越し先まで運ぶ荷物量が4t車1台分あった場合でも、旧居または新居前の道幅が狭ければ、小さいトラックを複数台用意することもあります。

「引越し当日にトラックが進入できない」という事態を防ぐためにも、事前に道幅を確認し、見積りの際に伝えましょう。

道幅が5mあれば、4tトラックでも自動車とすれ違うことができますが、道幅が4m・3mと狭くなれば、自動車がすれ違えなくなります。

マンションなどの管理組合の規定で、敷地内に車両を駐めるスペースが制限されている場合もあるので、大家さんや管理会社の方に確認すると良いでしょう。

道路幅を測るのが難しい場合も多いですよね。

わざわざ道路幅を測らなくても、車同士が余裕ですれ違えるかどうかや、ギリギリ車がすれ違えるかどうかなどを伝えるだけでも目安になりますよ。

道路幅3m

道路幅4m

道路幅5m

搬入口や各スペースのサイズチェック

大型家具・家電も同様に、通常の搬入口から搬入できないことが分かれば、別の入口から搬入することになり、その際クレーンを使うようであれば別途費用を請求されます。

特に見落としがちなのが、階段の踊り場付近です。階段を曲がる場所は家具が搬入しにくい場所なので、きちんとサイズを確かめるようにして下さい。

同時に、洗濯機置場のサイズもチェックします。ドラム式や乾燥機付きなど大きめの洗濯機は置けない場合があるので、注意して見るようにしましょう。

また、新居に傷がないかのチェックも早めにします。引越し後、傷があることに気付いた場合、引越しによる傷なのか元々あった傷なのかでトラブルになることがあるようです。傷の心配がありそうな場所は、予め写真に収めておくなどすると安心です。

地域事情の確認

引越し先の電気の周波数・ガス事情も早めに確認しましょう。周波数は西日本と東日本で変わり、家電によっては使えなくなるものや、そのまま使えるが能力が変わるものもあります。

50Hz/60Hz共用となっている家電は全国どこでも使用できますが、詳しくは電気店またはメーカーに相談しましょう。

ガス事情については、新居でのガスの種類を把握しておく必要があります。「都市ガス」と「プロパンガス」では対応器具が異なるので、現在使用しているコンロ等のガス製品が対応できるか事前にチェックしておきましょう。

学校関連の確認

保育所・幼稚園・小中学校に通われているお子さんがいる家庭では、転入ないし編入手続きも視野に入れなければなりません。

当然、学区が変われば転校することになり、現在住んでいる区域から転出すれば今まで通っていた保育所・幼稚園に通うことができなくなる可能性もあります。(現在通われている保育所・幼稚園の区域に職場を置いている場合は通い続けることができます。)

私立幼稚園に関しては区域関係なく通い続けることができますが、公立幼稚園・保育所に関しては公立なので市内優先となり、退園・退所せざるを得なくなることを念頭に入れておきましょう。

これは引越しを決める前に確認すべきことだとは思いますが、いま一度きちんと確認する必要があります。

粗大ごみ・不用品の処分

粗大ごみの回収方法や回収できるものは自治体によって異なります。処分するものは早めに確認し、余裕を持って回収してもらうようにしましょう。

引越し業者選びの後に荷造り

「荷造りは早めが肝心」と、自分で段ボールを調達してせっせと荷造りをしている人もいますが、荷造りを始めるのは引越し業者が決定してからで良いと思います。

というのも、引越し料金に段ボール料金が含まれていることがあり、引越し業者が段ボールを持ってきてくれるからです。業者によっては、際限なく段ボールを手配してくれることもあるので、梱包資材の確認をした上で荷造りをしたほうが手間が省けます。

※自力で引越しする場合や、引越し業者に段ボールをもらわない人は、引越しが決まった時点で段ボールを調達し、早めに荷造りをしましょう。

引越し前日までにやること

  • 近隣住民への挨拶
  • 身の回り品の梱包
  • 石油ストーブの空焚き

近隣住民への挨拶

現在住んでいる近所の方々への挨拶は、引越し準備で忙しくなる前に余裕を持って済ませましょう。深い関わりがない場合はお礼の品などを持参せずに、挨拶だけすれば十分だと思います。

挨拶をする理由としては、「引越し当日に道路を塞いでしまう」「引越し作業に物音がしてしまう」などが挙げられます。

引越し当日はどうしても物音がしてしまいます。事前に知らせておくと角が立たずに引越し作業ができます。

石油ストーブの空焚き

引越し業者は、「灯油・ガス・花火」など発火の恐れがあるものを運ぶことができません。当然、灯油の入った石油ストーブも運ぶことが出来ませんので、灯油の入った石油ストーブは油を抜いておかなければなりません。

自分で運ぶ場合でも、思わぬアクシデントが起こらないように、石油を抜く作業をしておきましょう。※石油の温度が十分に下がってから行って下さい。

  1. 灯油を入れる時と反対にポンプを入れて、ポリタンクに石油を戻す
  2. 空焚きする
  3. 厚紙(新聞紙等)を底に入れたビニール袋に石油ストーブを入れる
  4. 段ボールに入れる
  5. 段ボールに「石油ストーブ」などの注意書きをする

この状態になって初めて引越し業者さんが運んでくれます。

灯油の入ったポリタンクは自分で運びます。事前に新居に運べるのであれば、引越し前に運んでしまいましょう。

引越し前日にやること

  • 冷蔵庫・洗濯機の搬出準備
  • 貴重品・手回り品の準備

冷蔵庫の搬出準備

冷蔵庫の中身を空にしたら、引越し前日にはコンセントを抜いて霜取りをしておきます。

この霜取りとは、冷凍室周辺に付いた氷(霜)を溶かしてタオルなどで拭くことを言います。

  1. 冷蔵庫の中身を空にする
  2. コンセントを抜く
  3. 冷蔵庫内の霜を拭き取る(同時に掃除もしてしまう)

冷蔵庫の電源を切ってから数時間すると霜が解けるので、引越し前日にはコンセントを抜き、解けた霜を拭き取りましょう。

コンセントが冷蔵庫の裏にある場合は、ブレーカーを落とす方法もあります。その間電気は使えないので、前日の就寝前に落とすようにしましょう。

起床後に冷凍室で解けた霜を拭き取ります。引越し当日にブレーカーを入れたい場合は、霜が解けた冷蔵庫の中を必ず拭いてからにして下さい。拭かずにブレーカーを入れると再び霜が付いてしまいます。

また、冷蔵庫の下にある受け皿(蒸発皿)の処理は、引越し業者が当日してくれます。取り外しが難しいのであれば無理にしなくても大丈夫です。冷凍室の霜が取れていれば問題ありません。

使い切らない食品(主に調味料)は自前のクーラーボックスに入れて保管しましょう。保冷材も一緒に入れておくと尚安心ですね。発泡スチロールの箱に保冷材を入れたものでも代用できます。

洗濯機の搬出準備

洗濯機の搬出準備は、主に洗濯機の中身に衣類等が入っていないか確認する、ドラム式洗濯機を運び出す際に必要な輸送用のネジや、付属品のスパナを用意しておくなどがあります。

ドラム式洗濯機輸送用ボルト↓

スパナ↓

ドラム式洗濯機の輸送用ボルトが見付からない場合は、電器店等に問い合わせるなどして購入する必要があります。ボルトがないと運ぶ際に故障の原因になるので業者が運んでくれません。(ドラム式洗濯機の引越し準備 シャープ

洗濯機の水抜きは、業者に搬出してもらうのであれば特に何もしなくても大丈夫なことが多いです。

手回り品・身の回り品の準備

引越し業者が運べない「現金・通帳・印鑑などの貴重品」は手回り品として、自分で管理することになっています。引越し当日は、引越し料金を始めとする諸費用がかかりますので、現金の準備は忘れずにしておきましょう。

引越し当日に着る服や必要な日用品もすぐ分かるようにまとめておくとよいです。ハサミ・ごみ袋・ティッシュ・掃除セットなど、引越し当日にないと困るものは、必要な時にすぐ取り出せるように準備しておきましょう。

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